企業の食品ロスへの取組紹介(取組状況と削減効果を見える化)

江崎グリコ株式会社

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江崎グリコ株式会社

食品廃棄物95%削減目標を目指して 食品を捨てずに活かす江崎グリコの循環型取組


2021年3月、Glicoグループは重要課題に基づいた4つの分野について、2050年をゴールとした中長期ビジョンを設定した。豊かな地球環境を未来につないでいくため、活動を推進している。

製造工程での廃棄物の削減に注力するとともに、需給予測の精度向上による過剰在庫を持たない仕組みを通じて、食品廃棄物の削減に取り組む。2050年までに、サプライチェーンの効率化や、需給予測精度の向上等、廃棄が発生しない取組に注力する他、商品の微細な欠け等、品質に問題がない商品を、不揃い品としてアウトレット販売を行う等により、食品廃棄物を95%削減することを目指す。

「フードロス」と「フードウェイスト」の2つに分けて、それぞれの削減にむけた取り組みを。

Glicoでは食品廃棄物を、工場などの生産設備から生じる「フードロス」と、製品の売れ残りや食べ残しから出る「フードウェイスト」の2つに分けて、それぞれ削減に向けた取り組みをしている。

フードロス削減策として、例えば新商品の量産に向けて生産設備を立ち上げる際のロスを減らすなど、まずは廃棄を減らすことに優先的に取り組んでいる。

また、全工場をあげてリサイクルの質的向上に取り組んでおり、これまで熱源として再利用していた廃棄物(サーマルリサイクル=廃棄物を焼却する際の熱エネルギーを利用する方法)に加え、燃料としての再利用や、肥料、家畜の飼料としての再利用も進めている。

一方、フードウェイスト削減については、製品の売れ残りが出ないように需給業務の精度向上に努めているほか、製法や包材を工夫して賞味期限の延長を実現することによって、廃棄される商品を減らす取り組みを行っている。さらに、家庭から出る食品廃棄物を堆肥化するコンポストを社員が体感するプログラムを実施するなど、循環社会の実現に向けて取り組んでいる。

工場などの生産設備から生じるフードロス削減の取組

【ふぞろい品の販売】

Glicoグループでは、風味などの基本的な品質は満たしているものの、形状に欠けや割れ、折れがあるなどの規格外商品を「ふぞろい品」としてアウトレットにて販売している。
※販売場所・時期については不定

【神戸工場 食品リサイクル・ループ】

神戸工場では、工場から出る廃棄物を活かして新たな資源や食品を生み出し、それを再びGlicoが活用する「食品リサイクル・ループ」の取組を定期的に行い、従業員の廃棄物対策への意識向上につなげている。

神戸工場で廃棄となったビスコを工場内で粉砕し、豚のエサとして飼料会社に提供している。その飼料を食べて育った豚の一部をGlicoが買い付け、神戸工場の従業員向け食堂や隣接する保育園「こどもぴあ」の給食メニューとして出している。また、廃棄物として発生したカカオの皮を肥料化し、「こどもぴあ」園内で子どもたちが育てている家庭菜園で使用し、採れた野菜を保育園の昼食で提供している。

「神戸工場 食品リサイクル・ループ」についてはこちら
製品の売れ残りや食べ残しから出るフードウェイスト削減の取組

【賞味期限の延長と年月日表示化】

賞味期限とは、おいしく食べられる期限のことを表し、この期限を過ぎたらすぐに食べられなくなるというものではない。Glicoグループでは製造管理、品質管理を徹底し、賞味期限を設定している。

賞味期限が長い商品については、品質劣化のスピードが遅く、消費段階で日付管理をする意味が乏しいと考えられるため、日付で表示してきた賞味期限を年月表示に切り替えることに、Glicoグループは早くから取り組んできた。商品グループごとに賞味期限を設定し、菓子・食品カテゴリーのほぼすべての商品について、年月表示へ切り替えた。この取組は、食品ロス削減だけでなく、商品配送時・管理時の業務効率化にもつながっている。

【コンポストで生ごみから堆肥づくり 「食の循環」を社員が実践】

食品廃棄物削減と「食の循環」を社員が自ら体感するプログラムを、2023年に初めて実施した。

コンポストを活用し自宅で食品廃棄物(生ごみ)から堆肥をつくる→その堆肥を地域の農家と連携し使用してもらう→育ててもらった農作物を社員が収穫に行く→自宅で料理に使いまた生ごみをコンポストへ、といったプログラムに2023年は50名の社員が参加し、生ごみを約584kg削減するとともに、参加者の87%がライフスタイルへのポジティブな変化を感じる結果となった。

参加者からは「普段は捨てている生ごみを堆肥化する事で、食品廃棄物を削減できるのだとあらためて認識した」「持続可能な取組をすることが自分にとって心地が良いと気づいた」「野菜嫌いな子どもが自分で収穫した野菜をおいしく食べた」といった声が寄せられている。今後も社員が自ら体感することで、事業への理解を深める行動につながるプログラムを目指していく。

豊かな地球環境を未来へつないでいくために、Glicoグループは、「Glicoグループ環境ビジョン2050」の達成に向けて取り組み、持続可能な社会に貢献することを目指して活動を推進していく。

「すこやかな毎日、ゆたかな人生」を実現するために

Glicoグループは、創業者・江崎利一氏が「食品を通じて国民の体位向上に貢献したい」という信念のもと、グリコーゲン入りの栄養菓子「グリコ」を創製したことから始まった。創業者の理念を受け継ぎ、「すこやかな毎日、ゆたかな人生」というパーパスのもと、世界の人々が豊かで笑顔あふれる人生を送れるよう、ココロとカラダの健康に貢献することを使命として活動している。

今後も、この使命を果たし続けるため、変化する社会の要請に対応しながら、新たな価値の創出に挑戦し、社会とともに発展していく方針である。

企業名:江崎グリコ株式会社
所在地:〒555-8502 大阪府大阪市西淀川区歌島4丁目6番5号
公式ホームページ:https://www.glico.com/jp/

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