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ツキノワグマ管理計画は、令和8年度中の計画策定に向けて、検討を進めています。
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<生態編>
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都が令和7年度に行った生息状況調査*の分析では、都内のツキノワグマの個体数は120~378頭(平均値235頭)、生息密度**は、0.47頭/㎢と推定されました。過年度の調査とは推定方法が異なるため直接比較はできませんが、専門家や市町村へのヒアリングの結果なども加味すると、都内のツキノワグマの個体数は増加傾向にあると考えられます。
*生息状況調査:令和7年度の都の調査では、ヘアトラップ(体毛採取用の仕掛け)により採取したクマの体毛をDNA解析し、個体識別や行動範囲を分析することにより個体数を推定する手法を用いた。
**生息密度:推定した個体数を森林面積で割った値 -
都が運用する「東京都ツキノワグマ目撃等情報マップ ~TOKYOくまっぷ~」で状況をご覧頂けます。情報の種類は「痕跡」「撮影」「捕獲」「目撃」の4種類に分類しており、地図上で確認することができます。また、一覧表データとして調べることもできますので、用途に応じた利用ができます。
なお、山梨県と連携して東京都と隣接する地域の情報も掲載しております。 -
「東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版」では、準絶滅危惧種に位置付けられています。
一方で、令和7年度の調査によれば、推定生息数が増加傾向にあると考えられること(Q1参照)、また、過去に目撃事例がなかった市街地周辺での目撃など、クマの行動範囲が拡大していることから、人身被害等を防止するため、積極的な管理が必要です。 -
クマと出合わないために
ツキノワグマは運動能力が高く、人間の運動能力では逃げ切ることは困難です。襲われたら命にかかわる場合もあります。出合ってからのことを考える前に、まずはツキノワグマと出合わないように対策をすることが重要です。
ツキノワグマが生息している山に入るときは、次のような方法で自分の存在をツキノワグマに知らせましょう。- クマ鈴を付けて鳴らす
- ラジオをかける
- 会話する
- 見通しの悪いところなどでは、手を叩きながら歩く
特に、目撃等の情報が多い場所やツキノワグマの行動が活発になる早朝、夕暮れの時間帯は注意が必要です。また、登山道で見通しの悪い場所や沢の音が大きく響く場所などではクマと鉢合わせしやすいため気を付けてください。
もしクマと出合ってしまったら
- ツキノワグマが遠くにいる場合
落ち着いて、その場を離れましょう。走ったり大声を出したりしてツキノワグマを驚かせてはいけません。 - ツキノワグマが近くにいる場合
ツキノワグマに背中を見せず、落ち着いて、ゆっくり後ずさりしてその場を離れましょう。ツキノワグマが向かってきたら、クマ撃退用スプレーが有効です。 - ツキノワグマに襲われた場合
うつ伏せになって丸まり、組んだ両手で首の後ろ側をガードしてください。ツキノワグマは人を食べるために襲ってくるのではなく、自分が逃げるために攻撃するので、抵抗せずに数分耐えれば逃げていくといわれています。
<対策編>
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法に基づく計画*として、問題個体の捕獲、市街地への出没対策、クマを寄せ付けない環境づくり等の取組を総合的に推進します。令和8年度中の計画策定に向けて、検討を進めています。
また、計画を策定している期間中も都は、市町村が行う緩衝帯創出等の取組への財政支援や出没情報の発信、クマ出没時の捕獲従事者の派遣等の対策を引き続き行うなど、必要な取組を随時実施していきます。
*法に基づく計画:鳥獣保護管理法に基づく第二種特定鳥獣管理計画 -
野生動物は、一定の場合に捕獲することができます。鳥獣保護管理法の許可に基づいて行う捕獲や緊急銃猟制度に基づく捕獲などです。人里に執着するクマは危険性が高く、捕獲する必要があります。
人里において、柿などの果樹や生ごみなどがあることを学習したクマは、これらの食物への執着心が強くなり、人里での探索行動をするようになります。また、食物を持っている存在として人間を認識してしまう可能性や、人間の生活圏で様々なことを学習して適応能力を高めてしまう可能性があるため危険なのです。 -
人里とクマの生息域との境界に緩衝帯を設けることにより、クマが人里に近づきにくくなります。人家と山との間にある藪などをなくし見通しをよくすることで、クマが人の存在を視認しやすくなり、クマが警戒心を抱く効果が期待できます。クマは本来、警戒心の強い動物です。
また、クマを寄せ付けない地域づくりのためには、藪の刈り払い等のほか、収穫されず放置されている柿の木などの果樹を伐採したり、生ごみなどを屋外に放置しないなど、嗅覚の強いクマにとって誘引物となるものの除去も有効です。 -
都内では、東京都鳥獣保護管理事業計画において、平成20年4月1日からツキノワグマの狩猟を禁止しています。(現行の第13次東京都鳥獣保護管理事業計画の計画期間は令和4年4月1日~令和9年3月31日)しかし、直近の推定生息数や行動範囲の拡大等を踏まえると、クマの人への警戒心の植え付け、クマに対する捕獲圧*を強化する必要があります。そのため、令和8年度、東京都自然環境保全審議会で審議されるツキノワグマ管理計画においては、狩猟の限定的解禁を検討します。
*捕獲圧:人による捕獲などの行為が、野生鳥獣の個体数や生態系に与える影響や圧力の大きさのこと -
河川敷には灌木や草地などの自然環境があり、クマが身を隠しやすい緑地が連続しているため、クマが生息する山地から市街地への出没経路となりうることが指摘されています。このため、クマの移動ルートとなりうる河川の管理については、関係省庁及び自治体等との連携により、クマを寄せ付けないための様々な取組を進めていきます。
<9月24日増補版>
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目的には人とクマの軋轢を低減し、クマの個体群の将来的な存続を担保することが含まれます。このため、関東山地個体群に含まれる都内のツキノワグマについて順応的管理を行います。 個体群の維持ができなくなるほどクマを捕獲しようとしているのではありません。
- ツキノワグマ管理計画 目的(p2)
都民の安全・安心の確保を最優先とした上で、関東山地地域個体群におけ るクマの将来的な存続を担保し、 生息実態の把握、問題個体への対応、人との軋轢の予防を 目的として、 人とクマのすみ分けに向けた「第二種特定鳥獣管理計画」を策定する。 - ツキノワグマ管理計画 目的(p2)
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野生動物から得られる情報は断片的で、必ずしも確実性の高いものばかりではありません。 そのため、推定される生息数や生息環境、人身・農業被害などの状況を定期的に調査(モニタリング)し、その結果に合わせて管理の目標や選択する対策を柔軟に見直しながら実行していく手法のことです。
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過去の生息数調査結果と令和7年度の生息数調査結果を単純に比較できないことなどから、現時点での適正な生息数を一概に算定することはできません。
そのため、ツキノワグマ管理計画では、定期的に生息数等の調査を行い、被害の発生の状況や対策の効果を確認しつつモニタリングを行っていきます。 -
「クマが自然に繁殖によって増える頭数を算出し、それを目安として捕獲の数を管理する」という意味ですが、この「目安」とは捕獲上限や管理の目標ではありません。また、捕獲だけで人との軋轢が低減することはありません。
野生動物の自然増加率は個体群によって異なる可能性があるため、今後はモニタリングを行うことで当該個体群の自然増加率を算出する予定ですが、当初は一般的な数値を用います。 -
人里への出没増加には、捕獲圧の減少や里山における人間活動の低下など複合的な原因があると専門家が指摘しています。なお、東京都の森林面積は、ほぼ横ばい*で推移しています。
*「東京の森林・林業」(産業労働局)
78,562ha(平成27年度)⇒78,545ha(令和6年度) -
人里にエサがあることなどを学習したクマは人里に執着するようになると言われています。同じ個体が何度も人里に侵入することは避けなければなりません。
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山にドングリを餌としてまくことは、クマ以外のドングリを食べ物とする動物の餌環境の変化や、交雑、病気の持ち込みなどによる地域固有の生態系への悪影響、ブナ科の樹木の世代交代への悪影響などにより生態系をかく乱することになるため適切ではありません。
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人の生活圏へのクマの出没が減少しているか等について、評価指標を設定し対策の改善に活かしていきます。ツキノワグマ管理計画では、計画期間中に中間評価を行うこととしています。
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ツキノワグマ管理計画では、人の生活圏へのクマの出没が減少すること及び人身事故ゼロを目標に掲げています。この目標達成につながるよう、対策を実施します。クマの人の生活圏への出没は捕獲だけでは減少しないため、捕獲数を増やしても目標の達成にはつながりません。また、ツキノワグマ管理計画ではクマの個体群の将来的な存続を担保することを目的の一つとしておりますが、根拠のない捕獲は個体群の将来的存続にもつながりません。
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捕獲だけでは出没は減りません。あわせて、人里への出没抑制につながる誘引物の除去、緩衝帯の設置等の環境整備を促進します。
なお、捕獲数の設定は目安であり、どの程度捕獲すれば人との軋轢防止につながるか評価するために用います。 -
都は自治体や警察、猟友会等と連携して緊急銃猟訓練を実施するなど人の生活圏でのクマの出没に備えた体制整備を進めています。
また、警視庁は、自治体による緊急銃猟が行われるか不明である場合等に、ライフル銃でクマを駆除できる、クマ駆除対応プロジェクトチームを令和8年6月に設置しました。
なお、法で定められた要件を満たす場合には、麻酔銃の使用によりクマを不動化させることができます。麻薬研究者免許取得者(麻薬を使用する場合の免許)が麻酔薬を購入し、麻酔銃の所持許可や麻酔銃猟許可を得た捕獲従事者が使用するケースなどです。都は東京都猟友会への委託において、クマの出没時に麻薬研究者免許の所持者等を確保する内容を盛り込んでいます。 -
狩猟の効果には、頭数の削減だけではなく、クマが人を恐れる忌避効果、狩猟技術の継承等が考えられます。
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クマを捕獲できるライフル銃を所持するためには、継続して10年以上猟銃所持の許可を受けている必要*があり、長期的な観点から捕獲の担い手を確保していく必要があります。
*銃砲刀剣類所持等取締法第5条の2第4項 -
理由は主に二つです。一つは鳥獣の繁殖期を外す必要があること、もう一つは、秋冬には木々が葉を落として山中での視認性が高まり事故を防止しやすくなることです。
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狩猟における安全性の点やクマに対して捕獲圧をかける点などから、適切な期間の設定について検討しています。(ツキノワグマ管理計画では、法定の期間と期間変更案の両論を併記しています)。
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推定生息数の調査は、専門家に意見を求めながら実施しています。
ヘアトラップ(体毛採取用の仕掛け)により採取したクマの体毛をDNA解析し、個体識別や行動範囲を分析することにより個体数を推定しています。令和7年度に行った生息状況調査の分析では、多摩地域の森林内60箇所にトラップを設置し6月下旬から9月上旬までサンプルを集めました。都内のツキノワグマの個体数は120~378頭(平均値235頭)、生息密度は、0.47頭/㎢と推定されました。 -
都は、計画期間中に、国とも連携しつつ、関東山地地域個体群に属する都以外の県(群馬県、埼玉県、山梨県、長野県)と広域管理について引き続き調整を図っていきます。
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ツキノワグマ管理計画では、計画の実施体制として、専門家会議を設置することとしています。目標達成に向けた具体的取組の詳細については、この専門家会議において、有識者等に御議論いただき、年度ごとに計画を策定して実施していく予定です。