PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは
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PCBとは
PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは、化学的に合成された有機塩素化合物の一つで、ベンゼン環が二つ結合したビフェニルと呼ばれる物質に含まれる水素(10個あります)が塩素に置き換わった化学物質です。置き換わった塩素の数や位置により209種類の異性体があって、これらを総称してPCB(ポリ塩化ビフェニル)といいます。
PCBは、無色透明で化学的に安定で、耐熱性、絶縁性や非水溶性など優れた性質を持っていたため変圧器やコンデンサ・安定器などの電気機器用絶縁油や感圧紙、塗料、印刷インキの溶剤などに、幅広く利用されました。
PCBは、生体内にたやすく取り込まれしかも残留性が高く、皮膚障害などの慢性毒性が認められます。
資料:PCBの歴史 (PDF:187KB)
環境リスク
長期保管を余儀なくされているため、保管中であるPCBが不明になったり、使用中止後、保管されることなく廃棄処分される危惧が高まっています。
このように、PCBの保管が長期化することにより、PCBによる環境リスクの拡大が懸念され、PCBの早急な処理施設の整備と、適正管理の徹底が求められています。
使用中のPCBについて
PCBは、昭和48年頃までには、多くは回収されたり、使用が中止されました。
しかし、コンデンサなどPCBが密閉された状態にある製品については使用が禁止されなかったため、現在もなお保管されずに使用されている製品があります。
使用中のPCB(主なもの)
- 高圧コンデンサ
- 高圧トランス(変圧器)
- 照明用安定器(業務・施設用)
※一般家庭用の蛍光灯には使われていません。
都では、PCBの紛失等による環境リスクの未然防止のため、 要綱 により、使用中のPCB製品及びPCB廃棄物の適正管理に関して、都独自のルールを設けています。事業者のみなさまも、是非趣旨をご理解の上、 届出等の手続きをよろしくお願いいたします。
PCB廃棄物の処理について
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、昭和47年に製造や使用が禁止されて以降、30年に及ぶ長期の保管のため、紛失や漏洩が起きているものもあります。次の世代の環境安全が脅かされています。
このため、平成13年に「PCB廃棄物適正処理推進特別措置法」が制定され、PCB廃棄物の保管状況等について毎年度、都に届出するとともに、適正に処理することが義務付けられました。