東京の空と空気をきれいに。
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東京都庁から、富士山が見えた日は約100日
みんなのおうちから、富士山は見えるかな?
富士山は3776メートルある、日本で一番たかい山。
新宿にある東京都庁では、31階にカメラを設置していて、毎日、富士山がみえたかどうかを観察しているよ。
2022年度に都庁から富士山がみえた日は103日あったんだよ。下の表をみてみよう。
みんなが生まれた年に、富士山が見えた日は何日あったかな?
では、つぎに、季節ごとのちがいを見てみよう。
夏より冬のほうが、富士山がみえる日が多いことがわかるね。
これは冬になると、気温が下がり、乾いた空気になる(水分をたくわえる量が少なくなる)ことで、澄んだ空気になるためなんだ。
結果として、遠くのものがはっきりみえやすくなる。
夏に比べて、冬に青空が特にきれいにみえるのも同じ現象だよ。
東京のきれいな空と空気を守るために。
でもね、東京のきれいな空や空気は、気温がさがることだけで作られるものではないんだ。
みんなが生まれるずっと前の1950年代頃から、東京では、工場で多くの物が作られ、生活がゆたかで快適になる一方で、さまざまな公害が問題になったんだ。
そのうちのひとつが、工場や自動車などからでる化学物質によって空気がよごれてしまう「大気汚染」というもの。
このため、東京都は、工場などに、ばい煙(燃料などを燃やしたときに出るすすや有害物質)の排出を規制したり、 技術支援や環境にやさしい機器の導入をすすめたりしてきた。
また、都内をはしるトラックやバスなどのディーゼル車の排気について、東京都が独自のルールを作ることで(排出ガス規制)、大気汚染物質である浮遊粒子状物質(SPM)の環境基準を達成することができた。
2019年度には、肺の奥深くまで入りやすくて、健康にわるい影響をあたえるとても小さな粒子(PM2.5という。)の環境基準を達成することもできた。
このように、東京の大気環境は、おおぜいの人が努力し協力してきたことで、大きく改善されてきたんだ。
ただし、現在でも、以前に比べれば少なくなったものの、光化学スモッグ(※)の注意報は、毎年、発令されている。
※光化学オキシダントという有害物質が大気中にたまり、白いモヤがかかったようになること。目がチカチカしたり、のどがいたくなったりするなど健康にわるい影響がでるほか、植物にも害を与える。光化学オキシダントは、自動車の排出ガスなどに含まれている汚染物質が太陽の光を浴びて変化してできるもの。
東京のきれいな空や空気は、何もしなくても
手に入るものではない。
過去からおおくの人が努力し協力してきたことで、いまの環境がある。これからも、みんなで協力して、東京の空を守るための努力をつづけていくことが必要なんだよ。
【参考】大気環境のモニタリング
東京都では、都内82か所に、大気汚染物質を測定するための装置を設置し、24時間、連続して測定している。東京の大気汚染物質の測定結果を「見える化」した地図を公表しているよ。環境局ホームページをのぞいてみてね。
https://www.taiki.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/taikikankyo/map/index.html
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