建物の屋根は「発電所」になれる。
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東京で太陽の光を使った発電所をつくる。そうした大きな可能性のある場所が「建物の屋根」なんだ。
ビルや住宅などたくさんの建物がある大都市・東京ならではの「強み」ともいえる。
晴れていないとダメでしょ!って、思ったかな? くもりの日でも電気を作ることが出来るんだよ。
おうちの屋根の太陽光発電で、1年間で必要な電気のほとんどをつくることができる。
では、おうちの屋根の上に設置した太陽光発電で、どのくらいの量の電気をつくることができると思う?
例えば、4kWという大きさの太陽光パネルを設置した場合、一般の家庭が1年間につかう電気のほとんど(約8割)の電気をつくることができるんだ(4kWとはつまり4000W。下の表と比べてみよう)。
停電した時は、自立運転モードに切りかえると、テレビや冷蔵庫、スマホなどの家電を動かすことができるよ。いっしょに蓄電池を使うと、お昼間につくってためた電気を、夜に使うこともできるんだ。太陽光パネルは25~30年くらい使うことができるんだよ(*)
*太陽光パネルのふぞく機器(パワーコンディショナー)は、15年位で一度こうかんが必要になる。
「住宅には屋根がある」のが当たり前のように、「屋根が発電する」ことも当たり前の世の中に。
ロシア・ウクライナの問題で、ヨーロッパの国々でも「自分の国のなかに発電所をつくる」ため、「屋根の上の太陽光発電」に大きく取り組み始めているんだ。アメリカのニューヨーク市やドイツのベルリン市などの大都市では、すでに取り組みが始まっているよ。
東京都でも、都内で多くの住宅をつくっている事業者に対して、「これから新しくつくられる住宅が、省エネ性能が高くて、屋根の上には太陽光発電がついているものにしていくための制度」を、2025年4月から開始するんだ。
これは、キミたちが大人になるころまでに、都内に新しく建てられるおうちが「電気やガスをつかう量が少なく、屋根で発電した電気をつかえることが”当たり前”」となっているような世の中にしたいからなんだ。家庭の電気代やガス代、CO2も削減できるし、停電したときにも電気がつかえるようにしていきたいからなんだよ。
もうひとつ。風のチカラで電気をつくる
「風力発電」にも注目!
太陽光発電とともに大きく注目されているのが「風力発電」なんだ。とくに、「洋上風力発電」という、海の中に設置する風力発電が、ヨーロッパを中心に大きく広がっているよ。
その理由は、
①技術が発展し、大型の発電機がつくれるようになったこと、
②その結果、値段のやすい大量の電気をつくれるようになったこと、
③新しいしごとが増えて、働けるひともたくさんできる、
からなんだ。
洋上風力発電は、CO2をへらすため、「自然のチカラを利用した電気」を大きく増やすための、「切り札」とも言われている。
海にかこまれた日本でも、これから、洋上風力発電がふえていくことが期待されているよ。北海道や東北地方の海だけではなくて、千葉県の太平洋側などでも期待されている。
大きな洋上風力発電をつくるためには、設置できるかどうかの事前の調査や、漁師さんや近くに住んでいる人との話し合い、発電機の設置や発電した電気をおくるためのケーブルの設置など、たくさんの時間がかかる。 このため、日本では、2030年ころまでに10ギガワット(※)、みんなが大人になる2040年ころまでには30~45ギガワット(※)くらいの洋上風力の設置にむけた準備が、いまからすすむ予定だよ(資源エネルギー庁資料をもとに作成)。
※1ギガワットは約90万世帯分の電力に相当
日本の「自然のチカラを利用した電気」は、純粋な国産のエネルギー。石炭や石油、天然ガスなど化石燃料をもやさないでつくれる電気。この地球温暖化対策としても大切なエネルギーを、ぜひみんなも注目してね!
<参考:おうちの屋根に太陽光パネル>
東京都ではおうちの屋根に太陽光パネルをのせてくれるところにむけた補助金もご用意しているよ。「東京ソーラー屋根台帳」で自分が住んでいるところは太陽光発電ができそうな地域か調べてみてね。
【東京ソーラー屋根台帳】
https://tokyosolar.netmap.jp/map/
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