東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2020年版

更新日

※本ページで紹介されている本土部レッドリスト2020は令和5年4月に一部見直しを行いました。
詳しくは、「東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版」のページをご覧ください。

1.本土部レッドリスト改定の経緯

都では都内全域のレッドリストとして、平成10(1998)年に「東京都の保護上重要な野生生物種(1998年版)」を初めて公表して以来、約10年毎に改定作業を行っています。第2次リスト以降は本土部と島しょ部に分けて作成しており、本土部版としては、平成22(2010)年に「東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2010年版」を公表しました。

時間の経過とともに、都内の自然環境を取り巻く状況の変化や新たな情報や知見も蓄積されていることから、平成30年から改定作業を行い、令和3年4月に11年ぶりの改定となる「東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)2020年版」(以下、「東京都レッドリスト(本土部)2020年版」という。)を公表しました。

東京都レッドリスト(本土部)2020年版の表紙イラスト

これまでの作成の経緯は以下のとおりです。
1998年 「東京都の保護上重要な野生物種1998年版」公表:第1次リスト
2010年 「東京都の保護上重要な野生生物種」(本土部)2010年版公表:第2次リスト
2021年 「東京都の保護上重要な野生生物種」(本土部)2020年版公表:第3次リスト
※)2013年には、第2次リストに基づく「レッドデータブック東京2013~東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)解説版」(外部サイト)を編纂し刊行しています。

2.東京都版レッドリストカテゴリー区分

評価の基準であるカテゴリー区分は、原則として環境省版レッドリストカテゴリー(2020)に準拠しています。一方、東京都独自のカテゴリーである「留意種」は、レッドリストの趣旨である希少性を前提としており、現時点では準絶滅危惧のレベルではないが、相対的に数が少ない種であり、生育、生息条件の変化に伴い容易に個体数が減少することから、その動向に留意する必要がある種として選定し、それぞれ理由を付しています。
なお、第1次リストとして定めた1998年版では、当時の環境庁レッドデータブックのカテゴリーを参考に、絶滅危惧種、危急種、希少種、絶滅に相当する種をそれぞれA~Dランクとしており、現行のものとは評価基準が異なります。

3.対象地域と地域区分

都内本土部は地域によって環境が大きく異なることから、区部、北多摩、南多摩、西多摩の4地域に区分し、それぞれの地域区分ごとに評価を行いました(昆虫類については区部及び多摩部の2区分としています)。なお、具体的な4区分の位置や地形、標高などは、 地域区分図(PDF:414KB)地形区分図(PDF:398KB)標高図(PDF:478KB) を参照してください。

4.今回の改定作業について

平成30年から3ヶ年をかけて、改定作業のための文献調査、ヒアリング調査に加えて、現地調査を実施しました。それらの結果をもとに、専門家等を委員とした「東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)」改定に関する検討会を設置し、評価の取りまとめを行うとともに、検討会の下に、「植物」、「藻類」、「哺乳類」、「鳥類」、「爬虫類・両生類・淡水魚類」、「昆虫類」、「その他無脊椎動物」の7つの専門部会を設置し分類群ごとの検討を行いました。

5.選定・評価結果の概要

全掲載種数は1,845種となりました。分類群ごとの掲載種数や経年変化についてはこちら(PDF:430KB)をご覧ください。なお、評価対象とした分類群は、2010年版の対象に新たに「藻類」を加えた11分類群です。

6.今回改定のトピックスについて

  • 都内本土部の絶滅種は207種となり、うち、新たに絶滅と判断された種が80種でした。デンジソウ(植物)やガムシ(昆虫)等、水田、湿地環境の消失に加え農薬や外来種等による影響が懸念されています。
  • 新たににレッドリストに追加された種は447種であり、その中にはドジョウ(淡水魚)等の水田、氾濫原環境の消失や異なる地域産の放流等によるものや、ホオジロやセッカ(鳥類)等、耕作地の減少や河川敷の改変等による草地の減少等によるものなど、近年まで普通に見られた種の絶滅リスクも高まっていることが分かってきました。
  • 一方、近年、地域の自然再生活動等により絶滅種が復活した事例がいくつか報告されています。市民協働で行われた都立井の頭恩賜公園井の頭池のかいぼりやその後の自然再生の取組により、2016年、59年ぶりに地域固有種であるイノカシラフラスコモ(藻類)が野生復活しました。
地域区分毎の掲載種の経年変化(植物)
  • 植物種からみた地域区分ごとの経年変化を見てみると、いずれの地域でも絶滅種が増加し、近い将来における絶滅の危険性が高い絶滅危惧Ⅰ類が2倍程度に増加していることがわかりました(上図参照)。主な理由として、西多摩では山地でのニホンジカによる食害による影響が、南多摩では丘陵地での開発による水田・湿地・草地の減少や耕作放棄による里山環境の荒廃が、北多摩では武蔵野台地での宅地化による樹林・草地の減少が、区部では沿岸河口部の干潟、湿地の減少などの影響が懸念されています。

東京都レッドリスト(本土部)2020年版

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「東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版」の発行について

本ページで紹介されている本土部レッドリスト2020は令和5年4月に一部見直しを行いました。

詳しくは、「東京都レッドリスト(本土部)2020年見直し版」のページをご覧ください。

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