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東京都のアライグマ・ハクビシンの被害及び対策の状況について

更新日

都内のアライグマは多摩地域を中心に増加を続けており、最近は区部における生息範囲の拡大がみられます。

一方、ハクビシンは多摩地域だけでなく区部のほぼ全域に広く分布していると考えられています。

被害状況

都民から寄せられた相談件数

アライグマ・ハクビシンの相談件数(目撃情報及び被害情報等の件数)は、区部、多摩地域共に年々増加しています。

生態系被害

絶滅危惧種であるトウキョウサンショウウオは、あきる野市・日の出町の丘陵部において1970年代末から現在までの間で、個体群が1/3に衰退したと推定されており、その原因として谷戸田の乾燥化や人による採集などとともにアライグマによる捕食が挙げられています。

アライグマ
横沢入りで撮影されたアライグマ
トウキョウサンショウウオ
横沢入りで発見されたトウキョウサンショウウオの被食体

横沢入り…横沢入里山保全地域のこと

農業被害

アライグマ・ハクビシン共に、多摩部を中心に農業被害が発生しています。

対策状況

都では、平成25年に「東京都アライグマ・ハクビシン防除実施計画」を策定し、区市町と連携しながら、アライグマ・ハクビシンの捕獲を実施しています。

取組自治体

防除実施計画への参加(同意)自治体は計画策定以降順次増加し、現在は46自治体にまで拡大しました。

農作物獣害対策事業の実施自治体を含めると、現在では全53自治体のうち50の自治体がアライグマ・ハクビシン対策に取り組んでいます。

捕獲状況

小型の箱わなを使用して、アライグマ・ハクビシンの捕獲を実施しています。

保全地域における捕獲の取組

保全地域の一つである横沢入里山保全地域では、希少な両生類であるトウキョウサンショウウオ等の保全対策の一環として、生息環境を改善するとともに、平成22年度からアライグマの駆除を実施してきました。

その結果、対策実施後からトウキョウサンショウウオの卵のうの確認数が増加傾向となり、平成22年度調査では510 房だったものが令和1年度には1,221 房まで回復しました(西多摩自然フォーラムの調査による)。

横沢入里山保全地域

保全地域とは

保全地域とは、「東京における自然の保護と回復に関する条例」に基づき、都内の貴重な自然地の保護と回復を図るために指定される地域のことです。保全地域には、自然環境保全地域、森林環境保全地域、里山保全地域、歴史環境保全地域、緑地保全地域の5種類があり、50の保全地域が指定されています。

保全地域には希少な両生類が生息している一方、アライグマの生息地・繁殖地にもなっており、両生類の捕食事例が発生しています。

記事ID:021-001-20231206-008454