グリーン購入ネットワークの取組
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グリーン購入ネットワーク
 環境に配慮した製品の選び方と製品情報を発信するグリーン購入ネットワーク。
  
                      
                      
グリーン購入ネットワーク 事務局長 深津学治さん
 「Clear Skyの実現に向けて、グリーン購入ネットワークの情報発信事業にこれからもご注目ください」と話す。
① 大気環境改善のために、どのような取り組みを行っているのですか?
私たちは様々な形で大気環境へ配慮した製品情報を発信しています。
 これまでに、「グリーン購入」を普及させるため、様々な啓発や情報提供などを行ってきました。
 メーカーや消費者の皆様にご協力いただき、紙製品や自動車、電力など、24分野の「選び方のガイド」を作成し、さらに「選び方のガイド」に沿って製品別の環境配慮情報をまとめたデータベース「エコ商品ねっと」(https://www.gpn.jp/econet/)を運営し、広く情報を発信しています。現在約13,000件の製品を掲載し、多くの地方公共団体や企業、消費者の調達の際に参考にされています。
                      
                      
  「エコ商品ねっと」ではエコマークなどの環境取得商品やグリーン購入法に適合した商品・サービスなども簡単に検索できる
環境配慮情報は製品・サービスの生産・梱包、輸送・使用時など、あらゆる場面において環境負荷を減らすために考慮すべき点をまとめた情報です。
 その中では光化学スモッグの原因ともなるVOC(揮発性有機化合物)の排出抑制情報なども記載しています。また、家具におけるホルムアルデヒド区分や自動車の排ガス規制など、大気環境への配慮に関する製品情報も積極的に紹介しています。
※VOC(揮発性有機化合物)
塗料・印刷インキ・接着剤・ガソリン等に含まれ、空気中に蒸発しやすく、太陽光によりNOx(窒素酸化物)と反応して光化学スモッグの原因となる。
② 設立のきっかけを教えてください。
1990年代以降、環境問題への関心が高まり、持続可能な消費を促進することが求められるようになりました。先進国を中心に社会全体で環境負荷を減らす取り組みが広がり、環境配慮型の商品を支援する「グリーン購入」への関心も高まっていきました。
※グリーン購入
 環境への影響を考慮し、環境負荷ができるだけ小さいものを優先し選択する購買行動。
そうした中で、グリーン購入活動を全国に普及させるため、1996年2月に設立されたのが環境NPOのグリーン購入ネットワーク(GPN)です。2025年6月現在で1,247団体(企業1,017、行政102、民間団体128)が会員として参加する全国ネットワークです。
 
                     
 (左)脱炭素社会やサーキュラーエコノミーの実現に寄与する取り組みを評価する「グリーン購入大賞」を毎年実施している(画像提供:グリーン購入ネットワーク)
 (右)ニュースレターや漫画を使ったPRなどで、幅広い層にグリーン購入の必要性を訴える
③ 取り組みはどれくらい広がっていますか?
現在では、約400自治体が参考情報として「エコ商品ねっと」を活用しており(都道府県・政令市では9割が活用)、オフィス通販の13カタログと環境表示で連携しています。
 また、2024年度には東京都環境局と協働し、大気環境に配慮した製品を紹介するデータベース「Clear Sky Navi」(https://www.gpn.jp/clearskynavi/)を開設し、運用を始めました。対象分野は、文具・事務用品、自動車、食品(加工食品)、日用品、OA・PCサプライ用品・印刷資材の5分野で、2025年9月現在で計339製品を掲載しています。製品の案内にとどまらず、大気環境に取り組む工程を図示したり、具体的な取り組みを紹介しています。
 他にも、東京都主催のセミナーなどで、こうした取り組みを紹介したり、様々なイベントで掲載されている製品を展示して、普及啓発に取り組んでいます。
                     
                     
大気環境に配慮した製品を紹介するデータベース「Clear Sky Navi」
④ グリーン購入ネットワークのClear Skyとは?
「選び方のガイド」は、見方により生産者にとっては規制ととらえることもできますが、同時に環境配慮型の製品を開発するための指針と位置づけることもできます。 「エコ商品ねっと」も自社製品のPRにつながると掲載事業者から好意的な意見が聞かれ、購入者からもグリーン購入を実践する上での重要な情報源としてとらえてもらっています。
  Clear Sky Naviは2025年度に家具やカートリッジなどにも対象を広げ、さらに多くの製品情報を収集しています。 それらをより多くの消費者にお届けすることで、大気環境の改善に貢献できると確信しています。
 エコ商品ねっとでは「買うからはじめるエコ」とうたっていますが、これからは「買うからはじめるClear Sky」にもより力を入れていきます。
                      
                      
環境問題をやさしく解説するキャラクター「ばっくん」(左)と「がまこ」(右)