硫黄酸化物に係る規制基準

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大気汚染防止法による硫黄いおう 酸化物(SOx)に係る規制には、施設ごとに適用される排出基準による規制(K値規制)と、工場・事業場に設置されているばい煙発生施設から排出される硫黄酸化物の合計量に係る規制基準(総量規制基準)があります。

施設ごとに適用される排出基準(K値規制)

ばい煙発生施設から排出される硫黄いおう酸化物には、地域ごとに定められた値(K値)と排出口(煙突)の高さに応じて算出される排出基準が適用されます。

q=K×(10^-3)×He^2

q:排出基準(排出が許容される硫黄いおう酸化物の量(0℃、1気圧における立方メートル毎時))

K:地域ごとに定められた値

He:補正された排出口の高さ(メートル)

K値

施設が設置される地域 K値
特別区(23区) 1.17(注)
市の区域 武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市、西東京市のうち旧保谷市の区域 1.17(注)
八王子市、立川市、青梅市、府中市、昭島市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、あきる野市のうち旧秋川市の区域、西東京市のうち旧田無市の区域 6.42
あきる野市のうち旧五日市町の区域 17.5
西多摩郡 瑞穂町 6.42
日の出町、檜原村、奥多摩町 17.5
島しょ地域 17.5

注:昭和47(1972)年1月4日までに着工した施設にあってはK=3.0、昭和47(1972)年1月5日から昭和49(1974)年3月31日までの間に着工した施設にあってはK=2.92を適用する。

補正排出口高さ(He)の求め方

ばい煙発生施設の排出口の高さは次の算式により補正した値He(有効煙突高さ)を用います。
ただし、陣笠等が付属している煙突やH型・T型煙突、横だしの排出口の場合等は、補正を行わずHe=Hoとなります。

補正煙突高さHeの計算式です

Ho:地表面(GL)から排出口までの実高さ(メートル)

Q:温度15℃における湿り排出ガス量(立方メートル毎秒)

V:排出ガスの排出速度(メートル毎秒)

T:排出ガスの絶対温度(ケルビン)

工場・事業場に係る総量規制基準

都では、大気汚染防止法第5条の2第1項及び第3項の規定に基づき、硫黄いおう酸化物に係る総量規制基準を定めています(昭和51年東京都告示第674号)。
告示の内容は、東京都例規集データベース(外部サイト)からご確認いただけます。

例規集にログインして、目次から「第9編 環境保全」→「第2章 公害」→「第3節 規制基準等」と進み、「大気汚染防止法の規定に基づく硫黄酸化物に係る総量規制基準」をご覧ください。

総量規制基準が適用される地域(指定地域)

特別区(23区)、武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市及び西東京市(旧保谷市の区域のみ)の区域

総量規制基準が適用される事業場の規模

事業場に設置されている全ての硫黄酸化物に係るばい煙発生施設で使用される原料・燃料の使用量を重油に換算したものが、次の1又は2のいずれかに該当すること

  1. 定格運転時の使用量が毎時300リットル以上であること。
  2. 定格運転時の使用量が毎時100リットル以上300リットル未満であり、かつ、通常運転時の使用量が日量2000リットル以上であること。

(重油換算の方法の詳細については、「大気汚染・悪臭関係基準集」をご覧ください。)

※「硫黄 いおう 酸化物に係るばい煙発生施設」とは、ばい煙発生施設のうち次に掲げる施設を除いたものをいいます。

  • 施行令別表第1の15の項の施設(カドミウム系顔料等の製造用の乾燥施設)
  • 同表16の項の施設(塩素化エチレン製造用の塩素急速冷却施設)
  • 同表17の項の施設(塩化第二鉄製造用の溶解槽)
  • 同表19の項の施設(化学製品製造用の塩素反応施設等)
  • 同表20の項の施設(アルミ精錬用の電解炉)
  • 同表22の項の施設(ふっ酸製造用の凝縮施設等)
  • 同表27の項の施設(硝酸製造用の吸収施設等)
  • 同表29の項から32の項の施設(定置型内燃機関)のうち専ら非常時において用いられるもの

総量規制基準の値

総量規制基準の算出方法については、「大気汚染・悪臭関係基準集」をご覧ください。

記事ID:021-001-20231206-009290