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Saving Materials × 日本リユースシステム株式会社

更新日

日々の生活で感じる「もったいない」と思う気持ち、大切にしたいですね。食品ロスやプラスチックの削減、省エネなどに取り組む「チームもったいない」の活動に参加する企業の取組について、随時紹介していきます。

<衣類のリユースとワクチン寄付に取り組む企業を紹介>

日本リユースシステム株式会社 インタビュー動画

日本リユースシステム株式会社 ザ・アシスターズ 広報担当 鈴木詩織さん

「三方義し」の企業理念で

リユース業の新たな展開を目指す

不要な衣類を再利用することで、ワクチンの寄付へと繋げる「古着deワクチン」。
日本リユースシステム株式会社では、この事業を通じ、リユースの促進に加え、開発途上国の子どもたちの命を救うとともに、就労の機会に恵まれない方々の雇用も作り出しています。
2019年に「ジャパンSDGsアワード」を受賞したという活動内容を、同社ザ・アシスターズ広報担当の鈴木さんに伺いました。

「捨てさせない屋」の思いから生まれた

衣類回収をワクチン寄付へ繋げるアイデア

環境省によると、毎日、大型トラック約130台分の服が焼却・埋め立てされています。一方、ワクチンで防げた感染症で失われる子どもの命は世界で1日4000人。この豊かさと貧困の間の歪みについて、同社では以前より問題意識を持っていました。
 
『開発途上国を中心にビジネスを展開する日本の「捨てさせない屋」として、このアンバランスを同時に解決できる仕組みを考え生まれたのが「古着deワクチン」です。』

誰しもが自宅に眠らせている、もう着ないけれど捨てるにはもったいない衣類。これを環境に優しいリユースという仕方で気軽に片づけられるように、同社が考えたのが「簡単に回収できる仕組み」でした。

利用者は専用回収キット(税込3300円)を購入し、衣類を詰めて、集荷を依頼するだけ。A4サイズで届くキットは広げると大きくなり、薄手の衣類なら約120着詰められます。そして回収した衣類はカンボジアの直営センターを中心に世界中でリユースされています。

『さらに、このキット1点につき5人分のポリオワクチンを、「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会」様を通して、ブータンやバヌアツなどの子どもたちに寄付。2022年12月時点で467万人以上の子どもたちにワクチンを寄付することができました。』

大切な衣類を捨てずに、誰かのために役立てられる仕組みが共感を呼び、現在の利用者は毎月2万人に上ります。2010年11月の事業開始から現在までに3,939万着以上の衣料を再利用しており、CO2換算では19,697トン以上の削減に貢献しています。

さらに、カンボジアの直営センターでは、店舗で衣類が1点売れるごとに1ワクチンが寄付されます。現地のお客様からは、古着deワクチンを通して届く衣類は質が高くおしゃれなだけでなく、購入することで誰かの役に立てて嬉しいという声を頂いているそうです。

<配送されるワクチン>
<ワクチン接種の現場>

リユースだけで終わらないビジネスモデル

様々なパートナーと連携して繋がる支援の形

同社の問題意識は障がい者支援にも向いています。そのアプローチの一つが、全国の福祉作業所への専用回収キットの製造依頼です。
本日の取材場所、国立市にある福祉作業所「天成舎」様。5年前から専用回収キットの製造を引き受けているという施設長の石原久子さんにもお話をお聞きしました。

『天成舎は就労継続支援と生活介護を行っている施設です。様々な障がいのある方が作業をする中で、仕事だけでなく人とのコミュニケーションも学んでいます。元々、ペットボトルのキャップの分別によって得た利益の半分を、ワクチン支援として寄付していました。その関係で、5~6年前に海外の支援活動に参加した際、日本リユースシステムさんと出会いました。』 

その際に「古着deワクチン」の趣旨に賛同頂いたことから関係がスタートしたそうです。命を救う仕事の一端を担うことは、業務を行う上でのモチベーションにもなりますね。

<天成舎 石原施設長>
<福祉作業所「天成舎」の皆さん>
<専用回収キットの製造作業>

多くの人の「もったいない」という気持ちを

「誰かの役に立つ」に変えていくために

届いた衣類回収袋の中に、お客様から手紙が入っていることがあります。綴られているのは感謝の言葉や、その衣類の思い出、必要としている方に届いて欲しいという願い・・・皆様の気持ちも含めて次の方へバトンタッチするのだと思うと、この事業に賭ける思いがより一層強くなるそうです。

『古着deワクチンは弊社1社だけの力で成り立っている事業ではなく、皆さまのお気持ちや、パートナーの社会福祉団体、国内外のスタッフなど様々な方が関わって成り立っている取り組みです。
これからも「もったいない」を「誰かの役に立つ」に変えていくため、今後は個人の方だけではなく、「古着deワクチンまごころプロジェクト」でSDGs活動に悩まれる企業の方との連携も強めていければと思っています。』

家庭に、社会に、まだまだ眠っている「もったいない」。
皆さんも「使用しなくなった大切なものを次の誰かに使ってもらう」という視点を、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

▼古着deワクチン:https://furugidevaccine.etsl.jp/(外部サイト)

記事ID:021-001-20231206-008932