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Saving Materials/Energy × 多摩電気工事株式会社

更新日

日々の生活で感じる「もったいない」と思う気持ち、大切にしたいですね。食品ロスやプラスチックの削減、省エネなどに取り組む「チームもったいない」の活動に参加する企業の取組について、随時紹介していきます。

<リサイクルの推進、廃棄物の少量化に取組む企業を紹介>

「多摩電気工事株式会社」総務部 総務部長 佐藤守康さん/総務部 総務課 清水泉さん

清水泉さん(左)、佐藤守康さん(右)

事業としての取組だったエコを

社員個人としての取組へと展開

2002年から廃棄物の削減に取組んだ結果、碍子(がいし)の破損や電線ロスを大幅に減らすことに成功した多摩電気工事株式会社。さらに2019年からは、社員1人ひとりが取組める環境活動もスタートさせました。

現在、環境委員会の事務局長を務める総務部長の佐藤守康さんと総務部 総務課 清水泉さんにお話を伺いました。

碍子の破損が900個から1ケタに

数々の取組で廃棄物を大幅に削減

2019年11月に創立60周年を迎える多摩電気工事株式会社は、主に多摩地域の架空配電線工事や、ビルや工場などの受電設備工事、通信設備工事を行っています。

『わが社が廃棄物の問題への取組をスタートさせたのは、2002年。配電工事の発注元である東京電力株式会社が、リサイクル事業を発足したのをきっかけです。まず取組んだのが、電線を電柱などに絶縁固定する碍子の破損を減らすこと。碍子は磁器でできているため、持ち運ぶ際に碍子同士が軽くぶつかる程度でも破損してしまいます。

そこで、持ち運ぶときに保護ネットの中に入れ、さらに仕切り板を使い保護しています。また、地上で作業するときには、地面に保護マットを敷いた上で行っています。その結果、スタート時に年間900個あった破損は、今では1ケタにまで減少しました。

また、電気を通すために設置する電線は、現場で作業員が目測で切っていましたが、工事前に職員が現場に行き計測して切ったものを使うようにしたところ、ロスを100分の1にまで減らすことができました』

月に一度報告会を開き全社で情報共有
当初は面倒だったことも、今では当たり前に

実施をスタートした当初は、作業員から不満の声が上がることもありました。

碍子と、破損を防止する保護ネット

『手間が増えることへの疑問の声はありましたが、意義を理解してもらえるよう現場の担当者が根気強く説明を続けました。環境への取組を始めた2002年に、社内の6部署の所属長と3支社の支社長が参加する環境委員会を発足し、そこで毎月の破損した碍子の数や電線ロスについて報告しています。

取組をきちんと続けていくと成果が数字となって現れますし、支社間同士の意識も刺激され、徐々に現場のモチベーションになっていったと思います。実際に工事で使う資材のロスが減ったことは、会社のコスト削減としてもかなり大きなものでした。そのように結果がついてきたことで作業員の意識も変わり、当初は面倒だったことも今では当たり前に取組めるようになっています』

事業における廃棄物の少量化やリサイクルの推進に成功した同社。資材のロスを減らすことが当たり前になったとき、社内から、「環境委員会って一体何をしているの?」という声が出てきました。そんな中、今年環境委員会の事務局となった清水さんは、「まずは自分が学ばないといけない」と、eco検定を受験。見事合格し、広く環境問題の知識を得た中で、もっと身近なエコ活動を取り入れて一人ひとりの意識向上につなげたいと思いました。

『クールビスやウォームビズ、LED化などは既に取組んでいて、電気使用量もこれ以上減らせるのかというところまで削減していたので、次に何をすべきか迷いました。そこで始めたのがレジ袋削減の取組です。弊社は社員の9割は男性で、エコバッグなんて恥ずかしくて持てないという声もありましたが、そういう方には、レジ袋は要りませんと言うだけでも良いですよ、とアドバイスしています』

環境への配慮が世界的に評価される日野市

市を代表するエコな企業を目指したい

ほかにも、マイ箸運動をスタートし、お箸を持参した回数のシールを貼って個人で競争するなど、社員が面白がって参加できるような工夫をしながらエコ活動を定着させているそうです。最近では「チームもったいない」の活動に参加したことで、食品ロスに関する取組も実施しました。

『「チームもったいない」への参加をきっかけに、食品ロスの削減という今まで弊社では行っていなかったことにも目を向けてみました。まずは試しにと、委員会から有志を募って約20品目を日野市にあるフードバンクに寄贈しました。この取組が思った以上にスムーズに行えたので、社内備蓄用の来年に賞味期限を控えたかんぱん150缶を、年内にフードバンクに寄贈しようということになりました。新たな環境問題を知り、行動する良いきっかけになったと思っています』

自分たちが日々、気軽にできることを目標に据えたことで、社員が楽しみながら取組み、社内の雰囲気もさらに良くなったそうです。このように幅広く環境に配慮した活動を行う多摩電気工事株式会社ですが、今後、会社として目指していることは何でしょうか。

『多摩電気工事株式会社の本社がある日野市は、河川や水生生物に影響を与えるゴミを排出させないための取組が評価され、今年7月にSDGs※の未来都市に東京都で初めて選ばれました。東京における日野市のように、当社も日野市を代表する企業として、他の会社の良いお手本になれるように頑張りたいと思います』

日々分かりやすい効果をはっきりと得られない分、なかなか定着しない個人のエコ活動。まずは身近で無理なくできることからスタートし、みんなで楽しみながら続けている多摩電気工事株式会社の取組をぜひ参考にしたいですね。

※SDGs(エスディージーズ・Sustainable Development Goalsの略)

記事ID:021-001-20231206-008944