Saving Materials × 株式会社シード

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日々の生活で感じる「もったいない」と思う気持ち、大切にしたいですね。食品ロスやプラスチックの削減、省エネなどに取り組む「チームもったいない」の活動に参加する企業の取組について、随時紹介していきます。

<コンタクトレンズの空ケースの回収・再資源化に取り組む団体を紹介>

株式会社シード インタビュー動画

 

株式会社シード コーポレートコミュニケーション部 広報・SDGs推進室
課長代理 及川智仁佳さん

 


 

” 多くのプラスチック製品を扱うメーカーの責務として
地域に根ざした社会貢献活動を広げていきたい ”

 
コンタクトレンズを中心とした数々の眼に関する製品を世に送り出してきた株式会社シード。
自社製品問わず、すべての使い捨てコンタクトレンズの空ケースを回収し、資源としてリサイクルするプロジェクト「BLUE SEED PROJECT」を始めとした環境保全活動について、広報・SDGs推進室の及川さんにお聞きしました。   

 
コンタクトレンズの空ケースの回収・再資源化で
サーキュラーエコノミーの実現を目指す

 
1951年に日本で初めてコンタクトレンズの研究を開始した株式会社シードは、コンタクトレンズのリーディングカンパニーとして、Japan Qualityで製造された様々な製品を展開しています。
しかし品質の高い使い捨てのコンタクトレンズは利便性が高い一方で、空ケースなどの廃棄物が大量に発生する問題がありました。
 

 

『2019年頃に海洋プラスチック問題が取り沙汰されるようになる以前から、弊社では工場内で排出されたプラスチックに関してはほぼ100%リサイクルをしておりました。 
しかしお客様の手に渡り、使用されたコンタクトレンズの空ケースは破棄されるものが多かったのです。
その排出量は年間10トントラック600台分といわれているので、何とかマテリアルリサイクルできないか?と思い「BLUE SEED PROJECT」を立ち上げました。』      

 
SDGsという言葉ができる前から地域に根ざした社会貢献活動を行ってきた同社。
現在のこのプロジェクトは、眼科、コンタクトレンズ販売店、企業、学校、行政、合わせて1068の拠点(2023年11月時点)から回収されており、一方通行で終わらない、継続的な貢献につながっています。

 
『空ケースの一つ一つは小さいのですが、回収して再利用することで環境保全とプラスチック削減に貢献できます。
昨今、One Wayのリサイクルが問題視されている中で、当社は何度でも生まれ変わることができる「物流パレット」に再利用することで、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を目指しています。』

 

社員の環境問題へのモチベーションがアップし
家族や友人へも回収の輪が広がっている

 
コンタクトレンズのユーザーであれば誰でも気軽にご参加できるこのプロジェクトは、ユーザーだけでなく関係各所や社内からも大きな反響がありました。
 
『この活動にご賛同いただいている眼科、コンタクトレンズ販売店、企業様からも、気軽にSDGsに取り組めると大変ご好評いただいております。また、活動を始める前に、試験的に社内でも回収活動を行いましたが、多くの社員が空ケースを持ってきてくれました。』
 
社内の環境問題へのモチベーションが向上したことで、現在では不定期で空ケース回収に関する社内コンテストも実施。社員がその家族や友人にまで声をかけることで空ケースの回収の輪が広がっています。

   

 

空き箱やアルミを使ったおもちゃ作りで
子ども達のSDGsへの意識を高める出前授業も
 

呼びかける対象は大人だけにとどまりません。小学生にSDGsの理解を深めてもらうきっかけとして、出前授業にも積極的に取り組んでいます。

『コンタクトレンズの空き箱と空ケースの蓋のアルミを使って万華鏡を作る出前授業を行い、2023年夏は700名以上の子どもたちに、廃棄してしまうものでもおもちゃにしてリサイクルできるということを伝えました。』

 
 <リサイクルで作った万華鏡>

 
 <出前講座での様子>

 

地域との調和を願い、
工場や研究所でCO2削減目標を達成

 
コンタクトレンズの製造開発を行う埼玉県のシード鴻巣研究所や、隣接する保育・児童施設「ふくろうの森」でも、環境に配慮した様々な取組を行っています。

『研究施設や工場、「ふくろうの森」の屋上に太陽光発電システムを設置。
それによって再生可能エネルギーの割合が増加し、また遮熱効果によるCO2削減にもつながったことで、埼玉県が示すCO2配出削減目標を大幅に達成しています。』

 

一つひとつの「もったいない」存在を
集めていくことから始める

 
SDGsに取り組みたいけれども何から始めていいか分からない、という方に対し、実は身近なところに始めるきっかけやヒントが隠れている、と及川さんは語ります。

『例えばこのコンタクトレンズの空ケースが「もったいない」存在であるように、身近な「もったいない」をかき集めれば大きな力になると思っています。
少しでもご興味がある方は、弊社の「BLUE SEED PROJECT」のホームページや、会報誌「SDGs News」、各種SNSもご覧いただければ嬉しいです。
またコンタクトレンズユーザーの方が周りにいらっしゃったら、「そのケースってどうしているの?」と声をかけていただきたいですね。
そこからこのプロジェクトが始まると思います。』

 

 

この先ももっと空ケースの回収量を上げていくのが目標。
みなさんも身近な「もったいない」に目を向け、一つひとつ実践していくことから始めてみませんか?

 
▼BLUE SEED PROJECT:
https://www.seed.co.jp/blueseed/(外部サイト)

 

 

関連する東京都の施策

▼使い捨てプラスチックの削減:
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/resource/recycle/foodlossplastic/

記事ID:021-001-20240209-010810