用語集

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水質測定計画

水質汚濁防止法第16条第1項の規定に基づき、東京都の区域に属する公共用水域の水質の汚濁の状況を常時監視するため、当該年度に行う公共用水域の水質測定について、測定すべき事項、測定の地点及び方法その他必要な事項を定めるものである。

現場測定項目

試料を採取する際の現場(川や海など)の状況を表す項目。天候、気温、水温、臭気、外観、透視度等。

生活環境項目

pH、DO、BOD、COD、SS、大腸菌群数、全窒素、全りん、nーヘキサン抽出物質 ※環境基準あり

健康項目

Cd、T-CN、Pb、Cr6+、As、T-Hg、アルキルHg、PCB、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素ほか12項目
(平成10年度現在) ※環境基準あり

特殊項目

フェノール類、Cu、Zn、溶解性Fe、溶解性Mn、T-Cr、F(平成10・11年度)
フェノール類、Cu、Zn、溶解性Fe、溶解性Mn、T-Cr(平成12・13・14・15年度)

その他の項目

塩化物イオン、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、りん酸性りん、電気伝導度、MBAS、トリハロメタン生成能等

BOD (Biochemical Oxygen Demand 生物化学的酸素要求量)

水中の汚濁物質の量について、それが微生物によって酸化分解される際に必要とされる酸素量をもって表したものです。値が大きくなるほど汚濁が進んでいることを示します。水質環境基準の代表的なもので、主に河川の有機性汚濁物質による水質汚濁指標として用いられています。

pH (Pouvoir Hydrogène 水素イオン濃度指数)

水の酸性、アルカリ性を示す指標。0から14の間の数値で表現されています。pH7が中性、小さくなるほど酸性、大きくなるほどアルカリ性であることを表しています。通常日本の河川のpH値は7.0前後、海域は7.8~8.3前後です。

DO (Dissolved Oxygen 溶存酸素)

水中に溶解している酸素のこと。酸素が水中に溶解する量は、気圧、水温、溶解塩類濃度により影響を受けます。1気圧のもとで20℃の清水には約9mg/Lの酸素が溶解します。水が清純であればあるほど、その条件における飽和量に近くなります。また、日中、水中植物の光合成が行われると、DOは高くなります。

SS (Suspended Solids 浮遊物質)

水中に浮遊して溶解しない物質の総称で、水の汚濁状況を示す重要な指標のひとつです。河川にSSが多くなると、光の透過を妨げ、自浄作用を阻害したり、魚類に悪影響を及ぼします。また、沈降堆積すると、河底の生物にも悪影響を及ぼします。

COD (Chemical Oxygen Demand 化学的酸素要求量)

水中の汚濁物質の量について、それが酸化剤で化学的に酸化するときに消費される酸素量を持って表したものです。数値が大きくなるほど汚濁が進んでいることを示します。水質環境基準では、海域及び湖沼の水質汚濁指標として用いられています。

T-N ・ T-P (Total Nitrogen 全窒素 Total Phosphorus 全りん)

全窒素は、アンモニア性窒素、硝酸性窒素などの窒素化合物の総和であり、全りんはりん化合物や有機性りんなどりん化合物の総和を意味しています。東京湾では、窒素やりんなどの栄養塩類の流入により富栄養化し、夏期の水質悪化の大きな原因となっています。

赤潮 (red tide)

水中に生存している微細な生物(主に植物プランクトン)が異常に増殖し、このため水の色が著しく変わる現象。水の色は原因となる生物によって異なり、赤褐色、茶褐色等の色を呈するが、その色の種類にかかわらずこれを赤潮といっている。なお、赤潮という名称の他に、苦潮、腐潮 、厄水などとも呼ばれている。また、湖沼における淡水プランクトンの増殖による着色現象は、淡水赤潮といい、このうち藍藻類又は緑藻類などにより緑色を呈すものをアオコや水の華、山間のダム湖などで鞭毛藻類の増殖により赤褐色ないし黄褐色を呈するものを淡水赤潮といって区別することが多い。赤潮の原因としては窒素、りんの増加に伴う水域の富栄養化、陸水や降雨による塩分低下等の物理的刺激などの説がある。赤潮を発生させるプランクトンには毒性を持つものもあり、その水域の生物に被害を与えることがある。特に養殖を行っている瀬戸内海などでは大きな被害をもたらすことがある。東京都内湾の赤潮の年間発生日数は、ここ数年は夏季を中心に100日程度である。

一級河川 (the class A river)

河川法では、河川を一級河川、二級河川及び準用河川に分けている。一級河川は、国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で、国土交通大臣が建設省令により水系ごとに名称・区間を指定した河川である。この管理については、国土交通大臣の直轄によって行う河川と、政令により区間を指定して当該都道府県知事に管理の一部を委任する河川がある。二級河川は、公共の利害に重要な関係のある河川で、一級河川の水系以外の水系から都道府県知事が指定し、管理を行う。このほか、上記以外の河川で市町村長が指定したものを準用河川という。

底生生物 (ベントス:benthos)

水生生物を、生息場所、移動力の大小などにより、底生生物(水底で生活するもの)、遊泳生物(ネクトン、遊泳して生活するもの)、浮遊生物(プランクトン、水に浮いて生活するもの)などに類別することがある。この底生生物のうち動物を特に底生動物という。河川、湖沼では、昆虫(カゲロウ、ユスリカなどの仲間)の幼虫、貧毛類(ミミズの仲間)、ヒル類、貝類などが、海洋では、多毛類(ゴカイの仲間)、貝類、甲殻類(エビ、カニの仲間)、棘皮類(ウニ、ヒトデの仲間)などが代表的な底生生物である。底生生物は、移動性が小さく、研究も比較的進んでいるので、河川、海域などの水質汚濁を生物学的に評価する際、よく使われる。

東京都内湾

東京湾の北西最奥部を占める東京都の地先海面をいう 。多摩川河口から旧江戸川河口を扇状に結んだ海域であり、水深は最も深いところで26m程度である。水域面積は約100k㎡である。

二次汚濁

水質汚濁について、汚濁物質が、その水域の中で生成されること。東京湾は、海水中の栄養塩類の増加、蓄積によって富栄養化状態にあり、このため植物プランクトンが増殖し、水質が悪化している。この二次汚濁の影響により、夏期のCODの水質は、冬期のそれの2倍程度の値となっている。

貧酸素水塊

春から秋にかけて赤潮が多発する時期はまた、上層と下層の海水の循環が起こりにくく、上層へ溶け込んだ酸素が下層へ供給されない時期でもある。このような状況下で、大量に発生したプランクトンが死滅すると海底に沈降し堆積する。それが分解される時に酸素を消費して、生き物が生きられない貧酸素状態を作る。この貧酸素状態の水塊のことを言い、東京湾では夏から秋にかけて広く存在する。

75%水質値

公共用水域の水質を表す方法として、一般的に年平均値が用いられているが、BODなど生活環境項目の環境基準に対する適合性の判断方法として、低水流量に相当する水質である75%水質値が用いられている(環境庁:環水管第52号 昭和52年7月1日)。これは年間を通して3/4(75%)日間はその値を超えない水質レベルを示すものであり、年間の日間平均値の全データをその値の小さいものから順次並べ、0.75×n番目(nは日間平均値のデータ数)のデータ値をもって75%水質値とする(0.75×nが整数でない場合は、端数を切り上げた整数番目の値をとる)。逆に全データをその値の大きいものから順に並べた時はn/4+1(端数は切り捨て)番目のデータ値が、75%水質値となる。

記事ID:021-001-20231206-009359