川で見られる魚

更新日
川で見られる魚 (イラスト トミタ・イチロー)
アユ Plecoglossus altiveris altivelis Temminck et Schlegel

河口近くの瀬で産卵。稚魚は近くの海に降り、動物プランクトンなどを食べて成長する。昔から放流が盛んで、特に琵琶湖産のコアユが大量に放流されてきた。その結果、アユに混じって、もともとは東京に分布していなかった魚が多種多量に定着してしまった。

イワナ Salvelinus lecomaenis (Pallas)

ダム湖などのに下ると80cmぐらいまで成長することがある。水温が15℃以下のとこでみられ、ヤマメより上流に住む。

ニジマス Salmo gairdneri (Richardson)

明治10年に北米から移植された種で、サケ、マスの仲間の中では、もっとも高水温に耐える。多摩川の上流部では、自然の産卵も確認されている。

ヤマメ Oncorhynchus  masou masou (Brevoort)

海へ下るものをサクラマスといい、昔は多摩川などにもみられた。東京湾へ下ったサクラマスは、東京湾で小魚、動物プランクトンなどを食べて1年ぐらい過ごし、再び多摩川にそ上するという生活をしていた。

アマゴ  Oncorhynchus rhodurus Jordan et McGregor

もともとの分布は、箱根より西の本州太平洋岸と瀬戸内海周辺の地域で、その他の地域ではヤマメが生息していた。移植放流が行われている。

タモロコ Gnothopogon elongatus elongatus (Temminck et Schlegel)

もともとの分布は、静岡県より西の地域だが、今では放流事業やコアユの種苗混入によって東京でも普通に見られるようになった。

ホンモロコ(モロコ) Gnathopogon elongatus caerulescens (Sauvage)

もともとは、琵琶湖特産の魚。東京では、奥多摩湖へ放流され、定着している模様。湖内より流下、あるいはコアユ種苗に混入したと思われる多摩川下流部からの報告もある。

スゴモロコ Squalidus biwae (Jordan et Snyder)

もともとの分布は、濃尾平野から広島県東部にかけて、近年は、江戸川や荒川などで増えている。

ビワヒガイ Sarcocheilichthys variegatus microoculus Mori

もともとは、琵琶湖・淀川水系特産の種。タナゴの仲間と同じように、二枚貝に産卵する。

ニゴイ Hemibarbus barbus (Temminck et Schlegel)

大きいものは、淵などの深いところに多い。都内の大河川に広く分布しており、江戸川には特に多い。

ツチフキ Abbottina rivularis (Basilewshy)

もともとの分布は淀川水系以西の本州と北九州。泥底を好み、えさを泥とともに吸い込み、砂だけをえら穴から出す。かつては多摩川中流部やその支川にたくさんいたが、一部をのぞいて激減した。

カマツカ Pseudogobio esocinus (Temminck et Schlegel)

砂泥を好み、よく砂にもぐる。ツチフキのように、エサを砂とともに吸い込み、砂だけをえら穴から出す。かつては多摩川中流部やその視線にたくさんいたが一部を除いて激減した。

ゼゼラ Biwia zezera (Ishikawa)

琵琶湖・淀川水系特産の種。東京では2例だけ報告されている。

モツゴ Pseudorasbora parva (Temminck et Schlegel)

石をはじめ水中に捨てられた空き缶などいろいろなものに産卵し、雄が卵を守る。汚れた水にも耐えられ、都内では広く分布している。

ウグイ Tribolodon hakonensis (Günther)

川で一生過ごす河川型と、産卵のときだけ川へ上り、普段は海で生活する降海型がある。降海型のエサは動物プランクトンなど。マルタとよく間違えられる。

アブラハヤ Moroco steindachneri (Sauvage)

湧き水や伏流水のあるところを好む。 
砂礫にもぐり込むようにして産卵する。

ソウギョ Ctenopharyngodon idellus (Cuvier et Valenciennes)

都内では繁殖していないが、利根川で産まれたものが、江戸川 
などを通って都内まで入ってくる。中国から移植された。

カワムツ Zacco temmincki (Temminck et Schlegel)

もともとの分布は、中部以西の本州、四国、九州。オイカワが昼間、開けた流れのあるところに多いのにたいし、カワムツは、木などがおおう淵などに多い。体はオイカワより厚みがある。

オイカワ Zacco platypus (Temminck et Schlegel)

酸素不足には弱いが、水の汚れや河川改修に耐えられるため、近年、全国的に増えている。生まれたばかりの稚魚は、ある大きさになるといっせいに川を下り、流れの緩やかなところで成長した後に、再び川を上る。

ハス Opsariichthys uncirostris  (Temminck et Schegel)

もともとの分布は、琵琶湖淀川水系と福井県三方湖。 
日本のコイの仲間では唯一本格的な魚食魚。

ワタカ Ischikauia steenackeri (Sauvage)

もともとの分布は、琵琶湖淀川水系。 
ソウギョのように水草を食べる。有名な奈良の猿沢の池のウマウオはワタカのこと。

ハクレン Hypophthalmichthys molitrix 
  (Cuvier et Valenciennes)

増水時に産卵された卵は、川を下りながらふ化する。日本では利根川水系で繁殖している。卵は江戸川でもたくさん取れるが、ふ化する前に海へ流れてしまう。体重が50kg以上にもなる。

キンブナ Carassius auratus subsp.

東京にいるフナ類の中では、体高がいちばん低く、色も金色がかったものが多い。

ギンブナ
ゲンゴロウブナ
記事ID:021-001-20231206-009394