旭商事株式会社の取組

更新日

PM2.5や光化学オキシダントを低減させていくため、その原因物質である窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物(VOC)の削減に取り組むClear Skyサポーターを紹介します。

今回インタビュアーを務めてくださったのは、元AKB48メンバーで女優、気象予報士の資格ももつ武藤十夢さんです。

旭商事株式会社

東京都文京区にある旭商事株式会社。

大正10年創業のガソリンスタンドの運営を中心に自動車燃料油、航空燃料油の販売、不動産賃貸業を行なっています。外国人材活用事業など新しい分野にも積極的に進出しています。

 〈旭商事の本郷SS〉

 〈SS部 統括店長 髙橋祐也さん〉

こちらでは大気環境改善のため、どんな取り組みを行なっているのですか?

ガソリンを給油する時に、蒸発して気体となったガソリン(ガソリンベーパー)を回収して、環境にやさしく安全なガソリンスタンドづくりに取り組んでいます。

■ガソリンベーパーって何?

給油する時に出る「もやもや」とした気体を見たことはありますか?あの気体のことをガソリンベーパーといいます。ガソリンベーパーが大気中に放出されることで、VOC(揮発性有機化合物)が大気中に放出されます。そのVOCが光化学オキシダントやPM2.5の原因の1つとなります。

ちなみにそれはどうやって回収するのですか?

給油ノズルにガソリンベーパーを吸収する装置を導入しており、蒸気となったガソリンを吸収し、地下タンク内にガソリンを戻すという仕組みになります。

従来のガソリン給油ノズルは、給油中に大気汚染の原因となるガソリンベーパーを空気中に放出していました。しかし、旭商事株式会社で取り入れている給油ノズルは二重構造になっており、給油しながらガソリンベーパーを回収するので、環境にもやさしく、臭い対策にも効果があります。

〈左の給油ノズルがガソリンベーパーを吸収する〉

なるほど!そんなことができるのですね!なぜこの取り組みを始めたのですか?

以前使用していたガソリンを給油するための設備が古くなり、新しい装置の導入が必要なタイミングで、せっかく新しくするのなら、大気環境にも良い回収型の装置にしようと思い、導入に踏み切りました。

―実際にガソリンスタンドで給油をしてみることに・・・

 〈本郷SS店長 村上竜次さん〉 

ガソリンスタンド特有の臭いがあまりしないような気がしますね。

臭いの元であるガソリンの蒸気を回収しているから臭いが少ないのです。
臭いが少ないということは、それだけ大気に放出されるガソリンベーパーの量が少ないということです。

ちなみにこのノズルを使うことによって、どのくらいガソリンベーパーを回収することが出来るのですか?

本来、大気に放出されるガソリンベーパーの約81%を回収することができます。

ガソリンベーパーは給油量に対して、約0.1%発生すると言われています。
旭商事さんでは、年間360,000L給油しているため、本来1年間に360Lのガソリンベーパーが大気に放出されています。
しかしこの回収装置を使えば、ガソリンベーパーを約292L回収できるのです。

実際に取り組みを始めてみてどうですか?

一定数、ガソリンスタンド特有のガソリンの臭いが苦手な方もいらっしゃると思います。この給油ノズルを導入してから臭いがかなり軽減し、給油に来るお客さんからとても好評です。

そして、従業員からも良い評判で、離職率の低下にもつながっているのではないかと感じています。

ガソリンから発生するガソリンベーパーを削減することにより、大気環境改善に取り組んでいる旭商事さん。最後に、SS部統括店長の高橋様に夢を聞いてみました。

近年、脱炭素運動や大気汚染の事で、EV車やハイブリット車が増えてきて、ガソリンに対してポジティブなイメージが少なくなっている状況です。それでもClear Sky事業を通じて、地域のインフラを支えるために大気環境に配慮をして、地域をずっと支える企業でありたいと思っています。

 

記事ID:021-001-20240226-010920