相川運送有限会社の取組

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大気汚染を引き起こすPM2.5や光化学オキシダントを低減させていくため、原因物質である窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物(VOC)の削減に取り組むClear Skyサポーターを紹介します。

〈大気環境に配慮した運転に取り組む事業者紹介〉

相川運送有限会社 代表取締役 相川宏之さん

自動車を走行する際にエコドライブに取り組むことは、大気汚染の防止や燃費の向上につながります。Clear Skyサポーターとして、エコドライブの実践に取り組む相川運送有限会社の代表取締役 相川宏之さんにお話を伺いました。相川運送有限会社では、東京都貨物輸送評価制度への参加やグリーン・エコプロジェクト※1 『トップランナー賞』 の受賞、Gマーク制度※2の認定取得、働き方改革宣言など様々な取組を行っています。

※1 一般社団法人東京都トラック協会
外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。 http://www.tta-gep.jp/green/(外部サイト)
※2 公益社団法人全日本トラック協会
外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。 http://www.jta.or.jp/gmark/gmark.html(外部サイト)

エコドライブを実施したら、 “意識”が変わった。


エコドライブに取り組み始めたきっかけを教えてください。

「エコドライブの取組の構想自体はかなり前からあったのですが、いざやろうとなるとなかなか進まず、 『やりたくない』『めんどうくさい』という声もありました。一昔前は黒煙をぼうぼう噴き出して走っていて、これは身体に良くないのではと思っていたので、安全と環境のことをセットでやっていこうと進めてきました。

きっかけは、グリーン・エコプロジェクトに参加しようと思ったことです。参加するとドライブレコーダーの補助金が出るということもあり、始められました。」

グリーン・エコプロジェクト トップランナー賞のトロフィー


エコドライブに取り組むことで、どのような効果が感じられますか?

「以前は『自分さえ良ければいい』ではないですけど、『与えられた仕事さえやっていれば良いでしょ』という感じでした。でもグリーン・エコプロジェクトなどをやって、燃費効率が良かった車の運転手に報奨金を渡すと、同じ車両に乗っている者同士でコミュニケーションが生まれるんですよね。『あとちょっとで勝てたな』とも思う。

作るのは大変なんですが、燃費データもまとめて見せてあげられるようにしています。そうやって表彰することで喜んでもらえますし、燃費も良くなってきました。また、1人1リッター燃費が減ったら経費が5万円くらい減るので、それを原資にしてみんなに還元しようと考えました。

本人にはもちろん、安心して働いてもらいたいですし、家族の人にも安心してもらいたい。やってよかったと思いますね。」

走行管理表を用いて、車両ごとの燃費データの収集を行っている。

意識が変わったことで行動が変わった。燃費の改善は環境の改善、さらには安全につながる。

Clear Skyサポーターになったことで、何か変化を感じていることはありますか?

「Clear Skyサポーターなどのステッカーを点呼部屋の窓などに貼ると、従業員の意識や行動が変わりました。従業員は『こういうステッカーを貼ったからには安全運転を意識しないといけない』と。周りに見られているので、『危険な運転はできない』と意識が変わったのかなと思います。あと日報の字が見やすくなりました。見られているという意識からか、お客さんからの評価も意識できるようになりました。」

ステッカーを貼ることで周囲に見られているという意識が生まれた。トラックにもステッカーが貼られている。


社長としての、従業員の方への思いを教えてください。

「まず大切なことは、無事故でいてほしいということです。事故は起こしてほしくないので、安全に関しては口うるさくなります。安全会議の講習を行って少しずつ意識が変わってきているので、講習を行って良かったと思いますね。安全講習で外部講師から教わって変わってきた部分もあると思います。

また、前よりもコミュニケーションが取れるようになってきたのかなとも感じています。エコドライブに関する書類にドライバーからのコメントを書いてもらう欄があって、コミュニケーションをとる機会の一つになっています。仕事に対する意識も変わってきた気がしますね。

燃費が良くなるということは、事故を起こしづらいということなんです。なぜかというと、ふんわりアクセル、ふんわりブレーキなので、車間距離が空きます。

だから燃費の改善をすると、燃料代も節約できて、環境のためになり、安全のためにもなるんです。絶対つながっているんです。」

Clear Skyサポーターをはじめ、様々な制度に参加

従業員の方からはどのような声があがっていますか?

「従業員の中で特に小さいお子さんがいる人は、環境のことに関心を持ってもらえたと思います。『昔にいた会社では安全に対する取組なんてしなかったから意識もしてなかったけど、エコドライブなどをやるようになって考えさせられた』っていう声を聞きます。環境のことで今自分ができることをやると、やっぱり次の世代につなぐという意識が高まるのでしょうね。

『自分さえ良ければいい』という意識から、取組を続けるうちに数値がしっかり見えるようになって、自分の意識や目標を持つようになってきたのだと思います。今後もホワイト物流、ホワイト経営を目指したいと思います。」

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