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東京では、猛暑日や熱帯夜が増加するなど夏の暑さが課題となっており、また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催といった観点からも、暑さ対策を進めてきました。その1つとして、涼を得るための江戸の知恵である「打ち水」が、東京のおもてなしとして定着することを目指し、都内各所で打ち水を繰り広げるイベント「打ち水日和」を実施するなど、日本の文化・風習である「打ち水」の普及に向けて取り組んできました。
♦打ち水の文化
戦国から安土桃山時代を経て「茶の湯」が成立しました。「茶の湯」では、礼儀作法としての打ち水が行われます。江戸時代には「打ち水が」が俳句に読まれたり、浮世絵に描かれており、涼の手段として一般的であったと考えられます。打ち水の目的には、夏の暑さを和らげることに加えて、道の土埃をしずめる、客を招く時に玄関先や道に水を撒くことで心地よく迎える、お清めの意味、などがあったと考えられます。
♦打ち水の効果
打ち水をすると「気化熱」により気温が下がって涼しく感じます。
※水が蒸発する時、地面の熱を奪い、温度が下がります
♦打ち水の作法
①水を用意する
※水の有効活用のため、雨水やお風呂・プールの残り水などの二次利用水を利用しましょう
②水をまく
※朝や夕方に、日陰に水をまくと涼しさが持続して効果的です。昼やひなたにまくと、すぐに水が蒸発してしまいます
③涼を得る
※古くからの暮らしの知恵「打ち水」を取り入れて、涼しく快適に過ごしましょう
☝ポイント
バケツとひしゃくが無くても、洗面器やボウルにいれた水を手ですくってまいたり、じょうろや空き容器で水をまいたりするなど、お家にあるもので打ち水を行うことが出来ます。