ディーゼル車規制に関するQ&A

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1 なぜディーゼル車は環境に悪いのですか?

東京をはじめとする大都市圏では、大気汚染の問題が深刻です。なかでも、主にディーゼル車から排出される粒子状物質は、私たちの健康に大きな影響を与えています。

平成15年3月末現在、使用されているディーゼル車(トラック・バス)の約3割は、この粒子状物質の排出規制基準が無い時期に製造された車両であるため、大気汚染の原因となっております。そのため、これらの車両について、緊急な対策が必要であるため、条例により走行規制を実施いたしました。

勿論、ディーゼル車ならすべて悪といっている訳ではありません。東京都の条例による排出基準をクリアした車両や都知事の指定した粒子状物質減少装置を装着した車両は、都内で使用することができます。

 

2 欧州ではディーゼル車が見直されているのに、なぜ規制をするのですか?

ヨーロッパでは、以前から日本より厳しいディーゼル車への規制が行われており、この規制をクリアしたディーゼル車が使用されております。また、ヨーロッパでは小規模な町が多いこと、市街地や住宅街には、トラックなどがあまり走行していないなど、人口が密集している東京と比較することができません。なお、東京都は国に対し、国内のディーゼル車に 世界一厳しい規制を行うよう求めています。

 

3 粒子状物質の排出基準はどのような考え方で設定したのですか?

新車に対する規制値と連動させて使用過程車に対する規制値を変動させることを基本に、新車に対する最新の排出基準の「一段階前の排出基準」が粒子状物質排出基準となるよう設定しました。これは、新車と連動して排出基準を下げるようにしなければ、走行量や車種構成の変更によって十分な効果が期待できないおそれがあるためです。

 

4 ディーゼル車の排気ガス規制を都市部だけで行っても効果がないのではありませんか?

大気汚染の問題のない地域では、ディーゼル車の利用は問題ありません。
首都圏では、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の1都3県で平成15年10月1日から基準に適合しないディーゼルトラック・バスの地域内運行禁止を 実施しています。

 

5 条例で規制対象となっている車を何らかの方法で乗り続けることはできますか?

東京都では、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例により、ディーゼル車 走行規制を実施していますが、基準を超える車は、買い替えのほか、知事の指定した粒子状物質減少装置を装着することで基準を満たすことができ、都内を走行することができます。

しかしながら、ディーゼル車については、国も自動車 NOx・PM 法により規制しており、装置を装着したとしても、一定の期間を経過したものについては車検が通らなくなります。こちらについてもご留意ください。 NOx・PM 法の内容については、こちらをご覧ください。
http://www.env.go.jp/air/car/pamph/index.html (外部サイト)

 

6 なぜディーゼル乗用車は規制されないのですか?

ディーゼル乗用車は、一般的に、トラックやバスに比べて1台あたりの PM 排出量が少なく、 走行距離も少ないこと、また乗用車に占めるディーゼル車の比率が高くないことなどです。さらに、国の自動車 NOx・PM 法の厳しい規制(ガソリン車並の基準値)により、 ディーゼル乗用車は、より低公害な車に代替が進むためです。しかし、トラックやバス等については、排出量が大きく乗用車に比べて高価なため低公害車への代替が乗用車ほど進まず、粒子状物質減少装置を装着して排出ガスの基準を達成せざるを得ないケースが多いと推測しています。
東京都の大気汚染はご承知のとおり深刻な状況にあります。都民の健康を守るためには、何としても黒煙をはじめとする粒子状物質を減少させなければいけないと考えております。 そのために、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の1都3県で平成15年10月1日からディーゼルトラック・バスの地域内運行禁止を実施しています。

 

7 自家用ディーゼル車は対象外ですか。

自家用ディーゼル車も規制の対象です。車検証にある「事業用」と「自家用」の違いは、いわゆる個人の方が使うマイカーと、会社で仕事に使う車を区別するものではありません。「事業用」は運送業や旅客業を営む事業者に対するものです。そのほかは「自家用」です。例えば、飲食料品会社が、お店や自動販売機に運ぶ際や土砂を運ぶダンプカーも自家用となります。大気汚染を早急に解決するという条例制定の趣旨から、自家用車を規制の対象外とすることは考えておりません。

 

8 キャンピングカーは規制の対象ですか?

貨物車・乗合車をベースに改造したキャンピングカー(ディーゼルトラックベースの8ナンバー)については、粒子状物質の排出量が大きく、またより低公害な車への代替が進まないと推測されるため、規制の対象と しています。

 

9 買い替え補助、融資はありますか?

自動車の買い替えに際して、電気・天然ガス・ハイブリッド・メタノールの低公害車をご購入される場合には、融資制度をご利用いただけます。また、自動車税、自動車取得税の減税措置がなされます。具体的な内容については、こちらをご覧ください。

 

10 国の法律である NOx・PM 法と東京都の都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(以下環境確保条例)との違いは何ですか?

違いは以下のとおりです。

  NOx・PM 法 環境確保条例
開始時期 平成14年10月1日
ただし、車種ごとに猶予期間が設けられています。詳細は環境省のホームページをご参照ください
http://www.env.go.jp/air/car/pamph/index.html(外部サイト)
平成15年10月1日
なお、平成18年4月1日から2段階目の規制の基準値が適用されます
規制内容 基準に適合しない車両の対策地域での登録及び継続車検の禁止 基準に適合しない車両の都内の運行禁止
対象地域 都内では、奥多摩町、檜原村及び島しょを除く地域 東京都内(島しょを除く)
対象車両 貨物自動車、バス、特種自動車(いずれも燃料の種別を問わない)、ディーゼル乗用車 ディーゼル車(貨物、バス、特種自動車)。乗用車は規制の対象外。
その他 詳細は環境省のホームページをご参照ください。
http://www.env.go.jp/air/car/pamph/index.html(外部サイト)
都条例と同様の規制を神奈川県、埼玉県、千葉県でも実施しています。(内容は都条例とほぼ同様)

 

11 低硫黄軽油とはどのようなものですか。またどこで販売しているのですか?

低硫黄軽油とは、軽油に含まれる硫黄分を従来の500ppmから50ppmに低減したもので、環境への負荷が低減された軽油です。
平成15年4月から、全国的に供給が開始されています。
《注意点》低硫黄軽油の使用だけでは、ディーゼル車規制基準を満たすことはできません。指定する粒子状物質減少装置の装着が必要です。

 

12 知事が振っているペットボトルの中身は何ですか?

ディーゼル車から排出された粒子状物質( PM )です。
平成15年9月末現在、都内では1日に、この粒子状物質を満杯にした500mlのペットボトル約5万本分(1本あたり100gとして換算。約5t)が排出されていると推計しています。

 

13 ディーゼル車から排出される粒子状物質とは、どんなものなの?

ディーゼル自動車から排出される、粒子状物質( PM )は、ほとんどが粒径1ミクロン(0.001mm)以下の微小なものです。その成分のほとんどは燃料の燃え残りのカーボン(すす= SOOT )と、炭化水素(有機溶剤可溶分= SOF )です。そのほかは微量ですが、燃料中の硫黄分由来の硫酸塩(サルフェート)と、潤滑油由来の灰分( ash )があります。

粒子状物質のうち、空気中に長期間浮遊している、直径が10?(マイクロメートル)以下のものを、「浮遊粒子状物質( SPM )」と言います。この浮遊粒子状物質について、国が環境基準を定めています。

 

14 指定装置をつけると、全く黒煙は出なくなるの?

現在、指定装置には、 DPF(Diesel Particulate Filter) と酸化触媒があります。

① DPF は、100%ではありませんが、黒煙も含めて PM を60?70%以上低減します。

②酸化触媒は、黒煙は低減できませんが、 PM のうち、微小粒子が多い SOF分を低減します。あわせて、人体に有害な一酸化炭素( CO )、炭化水素( HC )を低減し、ディーゼル車特有の排気ガス臭も低減します。

記事ID:021-001-20231206-008611