ゼロエミッション東京戦略

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ゼロエミッション東京戦略の策定 ~気候危機に立ち向かう行動宣言~

 東京都は、2019年5月、U20※東京メイヤーズ・サミットで、世界の大都市の責務として、平均気温の上昇を1.5℃に抑えることを追求し、2050年にCO2排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を実現することを宣言しました。
 このたび、その実現に向けたビジョンと具体的な取組・ロードマップをまとめた「ゼロエミッション東京戦略」を策定しました。
 併せて、重点的対策が必要な3つの分野について、より詳細な取組内容等を記した「東京都気候変動適応方針」「プラスチック削減プログラム」「ZEV普及プログラム」を策定しました。

ゼロエミッション東京戦略の表紙イメージ

ゼロエミッション東京戦略   日本語(全文) 日本語(概要)

               英語(全文)  英語(概要)

東京都気候変動適応方針    日本語(全文) 日本語(概要)

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プラスチック削減プログラム  日本語(全文) 日本語(概要)

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ZEV普及プログラム       日本語(全文) 日本語(概要)

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1 策定の背景

  • 近年、巨大なハリケーンや山火事が世界各地を襲い、日本でも豪雨による土砂災害などで甚大な被害が発生しています。気候変動の影響は身近な生活に及んでおり、世界全体が危機的状況になっています。
  • 世界全体がかつてない変革を求められる歴史的転換点「パラダイムシフト」にある今、「脱炭素化」に向けて、国に先駆けた都市や企業の動きが世界中で活発化しています。
  • 東京都は、世界の大都市の責務として1.5℃を追求し、2050年までにCO2排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を実現することを、2019年5月に発表しました。

2 気候危機行動宣言 ~Declaration of Tokyo’s Climate Crisis Mobilization~

 東京都は、今、直面している気候危機を強く認識し、具体的な戦略をもって、実効性ある対策を講じるとともに、全ての都民に共感と協働を呼びかけ、共に、気候危機に立ち向かう行動を進めていくことを宣言します。 

3 戦略策定の3つの視点

  1. 気候変動を食い止める「緩和策」と、既に起こり始めている影響に備える「適応策」を総合的に展開
  2. 資源循環分野を本格的に気候変動対策に位置付け、都外のCO2削減にも貢献
  3. 省エネ・再エネの拡大策に加え、プラスチックなどの資源循環分野や自動車環境対策など、あらゆる分野の取組を強化

4 戦略の体系

  • 都の特性を踏まえ、6分野14政策に体系化し、2050年に目指すべき姿(ゴール)とロードマップを明示
  • 2030年に到達すべき17の主要目標(ターゲット)と、その目標を上回るよう進化・加速する具体的取組「2030年目標+アクション」(47項目・82のアクション)を設定
  • さらに、2030年以降の飛躍的なステージアップに必要なシステム・イノベーションを提示
ゼロエミッション東京戦略の体系
エネルギーセクター ①再生可能エネルギーの基幹エネルギー化
②水素エネルギーの普及拡大
都市インフラセクター(建築物編) ③ゼロエミッションビルの拡大
都市インフラセクター(運輸編) ④ゼロエミッションビークルの普及促進 <※>
資源・産業セクター ⑤3Rの推進
⑥プラスチック対策 <※>
⑦食品ロス対策
⑧フロン対策
気候変動適応セクター ⑨適応策の強化 <※>
共感と協働
-エンゲージメント&インクルージョン-
⑩多様な主体と連携したムーブメントと社会システムの変革
⑪区市町村との連携強化
⑫都庁の率先行動
⑬世界諸都市等との連携強化
⑭サステナブルファイナンスの推進

<※>個別計画・プログラム同時公表

 (参考)ゼロエミッション実現のためには欠かせないエネルギーの脱炭素化
  世界有数の大都市である東京はエネルギーの大消費地であり、消費されるエネルギーは、大半が化石燃料に由来するものです。ゼロエミッション東京を実現するためには、使用する全てのエネルギーの脱炭素化が不可欠であることから、再生可能エネルギーの基幹電源化に加え、再エネ由来CO2フリー水素を本格活用し、蓄電や熱エネルギーとしての利用などにより、脱炭素社会の実現の柱にしていきます。
目指すべき2050 年の姿
◆ 使用エネルギーが100 %脱炭素化
  • 再エネを基幹電源とする100% 脱炭素電力が供給されている
  • 再エネの地産地消とエネルギーシェアリングが標準化 
◆ 再エネ由来CO2フリー水素を、脱炭素社会実現の柱に
  • 再エネ大量導入を水素で支える
  • あらゆる分野でCO2フリー水素を本格活用。脱炭素社会を支えるエネルギーの柱に
※参考イメージ図 参照(PDF:628KB)

5 東京の脱炭素化に向けた出発点に立って

 戦略の前提となる状況や社会構造などの変化に合わせ、あるべき将来像を起点にしつつ、科学的知見や技術開発の動向も踏まえ、目標や施策をさらに高めていきます。

 本戦略を都民、企業、NGO、区市町村、国内外の諸都市など、多様な主体と共有し、力を合わせてこの一大プロジェクトに取り組み、持続可能で魅力あふれる都市・東京を構築していきます。

※U20(Urban20)の概要
2017年12月、C40等との連携の下、ブエノスアイレス市長及びパリ市長により設立された都市によるプラットフォーム。G20の議論に都市の経験や意見を反映させることを活動主旨とする。東京都は2019年議長都市として5月の会議を主催

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