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クアラルンプール市との都市間連携事業

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東京都は2019年度から、マレーシア国クアラルンプール市(KL市)の脱炭素都市実現に向けて、建築物施策を中心とした支援を実施しています※。

この取組は、2022年、C40 Cities Bloomberg Philanthropies Awards「気候ムーブメント」部門)を受賞しました。C40アワードは、気候変動対策をリードする都市への世界の認識を高めるため、C40(世界大都市気候先導グループ)が2013年から数年に一度実施している世界的な賞です。
東京都は、「TIME TO ACT」を合言葉に、東京発の気候危機行動ムーブメントを展開し、実効性ある行動を世界に呼びかけています。この度の表彰を励みとして、東京都はこれからも、気候変動の危機に立ち向かう行動を自ら加速するとともに、世界の各都市と協力して脱炭素化に貢献していきます。

※本事業は、環境省の「脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務」(旧名:「低炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務」)に採択される形で、委託業務主体である公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)の協力のもと実施しています。

採択事業名

2019年度~
2021年度

マレーシア国クアラルンプール市における建築物の省エネ普及に向けた脱炭素制度基盤構築支援事業(クアラルンプール市-東京都)
2022年度~
2024年度
マレーシア国クアラルンプール市における脱炭素都市・街区実現にむけた制度構築支援事業(クアラルンプール市-東京都/さいたま市)

KL市との都市間連携事業(概要)

KL市は、2019年度当時、2030年にGDPあたりのCO2排出量をBaU比で70%削減するという目標を掲げ、建物の低炭素化等の取組を推進しようとしていました。

2019年度から2021年度までの3か年において、東京都は、KL市の課題意識・ニーズ等を踏まえ、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)の協力のもと、これまで都が積み重ねてきた建築物の省エネ化の制度設計に係る経験やノウハウをもとに、KL市の取組を支援してきました。

<東京都が実施した主な支援(2019-2021)>

  • KL市における、市有施設のエネルギーデータベースの構築やCO2排出量の削減ポテンシャルの推計、CO2排出量の削減に向けたシナリオ作成などへの支援
  • 都有施設の新築・改築の際に適用される指針である「省エネ・再エネ東京仕様」や東京キャップ&トレード制度の構築・運用時の経験の紹介
  • 東京都が目指す2030年カーボンハーフの目標と、その実現に向けた建物を中心とする制度強化の方向性の共有 など

本事業の期間中に、KL市は2050年カーボンニュートラルを目指すことを表明しました。現在は、市有施設に留まらない建築物や市域全体の脱炭素化を進めています。

2022年度からは、第2フェーズとして、都が進める建物の脱炭素化強化策等について情報共有するとともに、連携都市として新たにさいたま市が加わり、市内で進める「スマートホーム・コミュニティ」街区開発に係る情報共有などに取り組み始めています。

さらに、2022年9月には、小池百合子都知事がKL市を訪問し、都市インフラの整備や都市の環境施策といった、より幅広い分野で両都市が交流・協力していくことに合意し、「東京都とクアラルンプール市の交流・協力に関わる合意書」を取り交わしました。これまで構築してきた協力に基づいて、両都市の友好関係はさらに強化されることになりました。

気候変動対策において都市の役割がますます重要になる中、東京都は都市間連携によって世界の脱炭素化に貢献することを目指しています。本事業はその一つの事例として、今後多くの都市に展開される可能性を持っています。

主な取組等

2019年6月 都及びIGES職員がKL市に訪問し、現地視察や意見交換を実施
2019年7月 都内ワークショップ
KL市から代表団が来日し、建物の省エネ対策に係るワークショップ及び都内建物(優良事例)の視察等を実施
2019年8月 「東京-クアラルンプール低炭素システム(T2KLLCS:Tokyo to KL Low Carbon System)」ハイレベルローンチングセレモニー
KL市役所にて、KL市長、東京都職員をはじめ関係者が一堂に会したキックオフ会合を開催
※以降、両都市における具体的意見交換を実施。相互の都市訪問のほか、コロナ禍においてはオンラインミーティングを常態化することで、2019-2021年の3か年で50回超の実務的な情報提供や意見交換を実施
2019年10月 第7回アジア太平洋都市フォーラム(APUF-7)
都職員も参加し、都の建築物に係る取組を紹介
2021年2月 T2KLLCS(Tokyo to KL Low Carbon System)2021ウェビナー(オンライン)
KL市との都市間連携事業について、マレーシア国内やASEANの都市、イクレイ本部、日本企業等に取組を紹介
2021年3月 脱炭素都市国際フォーラム(オンライン)
https://www.iges.or.jp/jp/events/20210317(外部サイト)
小池百合子都知事及びDatuk Seri Mahadi Che Ngah KL市長が登壇し、各都市における気候変動対策の取組を紹介
2021年7月 KL市・ジャカルタ特別州の共同ワークショップ(オンライン)
 
両都市の脱炭素建築物施策について意見交換する会として、KL市からは東京都との連携事業を紹介
2021年11月 COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)サイドイベント
https://www.iges.or.jp/jp/events/20211110-0(外部サイト)
Datuk Seri Mahadi Che Ngah KL市長をはじめ関係者が登壇し、取組を紹介
2022年2月 T2KLLCSのための最終ワークショップ(オンライン)
3年間の都市間連携の成果と両都市の今後の展望を報告
2022年6月 第2フェーズキックオフミーティング(オンライン)
KL市長、東京都職員をはじめ、第2フェーズの関係者が一堂に会したキックオフ会合を開催
2022年8月 "High-Level Talks" セミナー「ゼロカーボン・クアラルンプール市に向けて」(ハイブリッド)
https://www.iges.or.jp/jp/events/20220808(外部サイト)
KL市庁舎内の会場とオンライン参加者とをつなぐハイブリッド形式で開催し、KL市、東京都、さいたま市の取組を共有
2022年10月 C40アワード(C40 Cities Bloomberg Philanthropies Awards)受賞
https://www.time-to-act.metro.tokyo.lg.jp/initiatives/221201-2(外部サイト)
2019~2021年度までの連携事業が、都市の優れた取組として、C40(世界大都市気候先導グループ)から表彰されました。
2022年11月 COP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)サイドイベント
「日本・マレーシアの都市間連携を中心としたカーボンニュートラル優良事例の紹介:ルックイーストポリシー40周年を記念して」(オンラインとオフラインのハイブリッド)
https://www.iges.or.jp/jp/events/202211101700(外部サイト)
国内やASEAN都市を交え、KL市長や都職員も参加し、各都市の気候変動対策や都市間連携事業の成果等を紹介
2023年8月 High-Level Talks「ゼロカーボン・クアラルンプール市に向けて 2023」(ハイブリッド)
https://www.iges.or.jp/jp/events/20230808(外部サイト)
KL市庁舎内の会場とオンライン参加者とをつなぐハイブリッド形式で開催し、KL市、東京都、さいたま市の取組を共有。歓迎挨拶にて、小池百合子都知事がビデオレターで参加。
2023年10月

東京都主催「TIME TO ACTフォーラム2023:エネルギーの脱炭素化~都市における再生可能エネルギーの実装加速化に向けて~」
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/policy_others/international/time-to-act/
中村倫治東京都副知事及びカマルザマン・マット・サレー クアラルンプール市長が登壇

High-Level Talks「マレーシアと日本におけるゼロカーボンで気候レジリエントな都市の実現に向けて」
https://www.iges.or.jp/jp/events/20231019
カマルザマン・マット・サレー クアラルンプール市長や都職員が参加
2023年11月 わが家の環境局長 クアラルンプール市の小学生とオンラインでお話しよう!「こども環境国際会議2023」
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/tokyo_kl_report
東京とクアラルンプールのこどもたちが、環境をテーマにオンラインで交流
2023年12月 東京都内の高校生のクアラルンプール市スタディツアー
東京都内の高校生20 名がクアラルンプール市を訪問し、現地高校生と「環境とライフスタイル」をテーマに交流

取組紹介動画

※This film was presented by C40 Cities and produced by BBC StoryWorks Commercial Productions for the Tokyo Metropolitan Government.

記事ID:021-001-20231206-008222