株式会社タツノの取組
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株式会社タツノ
エネルギーインフラ創造企業、株式会社タツノ
進化し続ける技術力と豊富なアイデアで大気環境保全に貢献しています。
参与 営業本部長 兼 営業部長 森泉直丈さん
① 主な事業内容を教えてください
(画像提供:株式会社タツノ)
1911年、創業者龍野右忠が東京都港区芝に業を起して間もなく、わが国で最初のガソリン計量機を開発しました。
そこから、ガソリン計量機をはじめとしたガソリンスタンドの機器を開発・進化させ、安全で快適なエネルギーインフラを支えています。
② 大気環境改善のためにどのような取り組みを行なっているのですか?
(画像提供:株式会社タツノ)
ガソリンを給油する時に、ガソリンベーパーをノズルから回収して、液化を行い再利用できる計量機「エコステージDシリーズ」を作っています。
・ガソリンベーパーとは?
ガソリンが蒸発した気体をガソリンベーパーといい、
給油する時に出る「もやもや」とした気体のことで、特有のにおいを発します。
ガソリンベーパーはVOC(揮発性有機化合物)の一種であり、大気中に放出されることで、光化学オキシダントやPM2.5の原因となりえます。
・エコステージについて
(画像提供:株式会社タツノ)
エコステージを内蔵した計量機は、給油中に発生するガソリンベーパーを回収し、計量機内部で液化を行いガソリンとして再利用します。VOCの大気放出を抑え、安全性を向上させ、限られた資源を有効活用できるため、人にも環境にもやさしい給油を実現します。
・効果について
エコステージの給油ノズル
従来の給油ノズル ※ガソリンべーパーを水蒸気で現わしています。
最上位の機種では、大気に放出されるガソリンベーパーの約99%を回収することができます。
また、ガソリンベーパーは給油量の約0.15%を液体に戻すことが可能です。たとえば50Lを給油した場合、液化すると約75㏄が回収できます。
現在、全国に4,000台以上を設置しており、クリーンなガソリンスタンドを創ることに貢献しています。
エコステージを導入しているガソリンスタンドからは、「においが少なく給油をするお客様に好評」などの声をいただいています。
③ 開発のご苦労や環境配慮について、その想いをお聞かせください。
ガソリンという危険物を取り扱う製品なので、安全性を高めるため開発に苦労しました。
ガソリンベーパーを圧縮し液化するためのポンプをゼロから開発したほか、ノズルなどの部品も専用品を新たに開発しました。
誰もが使いやすい機器で環境配慮ができるよう心掛けました。
④ その他、Clear Sky実現に向けた取り組みを教えてください。
エコステージは、タンクローリーで給油所にガソリンを納入する際に発生するガソリンベーパーを回収するモデルもラインアップしています。
(画像提供:株式会社タツノ)
また、NOxを低減するためのアドブルー補給機など環境配慮型機器に加えて、水素やLNGなど多様なエネルギーに対応した製品を提供しています。
持続可能なエネルギーインフラに寄与する企業として、今後も開発に努めていきます。
※アドブルー補給機
アドブルー補給機は、 尿素SCRシステムが搭載した軽油車両に尿素水溶液(AdBlue)を補給する機器です。
尿素SCRシステムは、ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物(NOx)を浄化する技術で、排気ガスに尿素水溶液(AdBlue)を噴射しNOxを窒素と水に転換し、大気への有害ガス放出を低減します。
⑤ 株式会社タツノの Clear Skyとは?
私たちはこれからも、エコステージをはじめとした製品を広めていくことで、ガソリンスタンドから蒸発するVOCをなくし、大気環境のクリーン化に貢献してまいります。
そして、製造者としての責任を持ち、人にも環境にもやさしい製品を開発し続け、未来に続く社会基盤を創っていきます。