太陽光発電設備の導入・維持管理
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導入
初期費用
初期設置費用をゼロにできるサービスを活用することで、太陽光パネルの設置費用を抑えることが可能です。
現在、住宅への太陽光パネルは初期費用をかけず設置できるサービス(設備のリース等により後年度に使用料等を支払う第三者所有モデル等)が多数あり、住宅の建設費に影響を与えることなく、パネルを設置することが可能となっています。
手法 | 所有者 |
---|---|
リース | 事業者の費用で太陽光発電を設置(所有権は事業者) |
電力販売 | 同上 |
屋根貸し | 同上 |
施主所有による売電権の譲渡モデル | 事業者の費用で太陽光発電を設置(所有権は建築主) |
また、一定の条件を満たす場合、東京都の補助金を受けることができます。 → 詳しくはこちら
安全な導入(自然災害等)
地震
太陽光パネルが地震によって家屋と共に損壊した場合、切れた電線や一般的な家電製品と同様に、感電の恐れがあるため、むやみに近づかないよう注意が必要です。復旧にあたっては、販売・施工店に適切な処置を依頼してください。家屋や太陽光パネル等の損傷が見られない場合は、自立運転機能を活用し、停電時にも電気を使用することができます
《家屋が倒壊する危険がある場合》
• 機器や配線の損傷から漏電の可能性があるため、必ず分電盤の遮断器を切り、パワーコンディショナーの運転ボタンを停止にした上で避難してください。
《家屋や太陽光パネル等の損傷が見られない場合》
• 自立運転機能を活用し、停電時にも電気を使用することが可能です。自立運転モードへの切り替え方法については、各メーカーや(一社)太陽光発電協会のホームページにわかりやすい動画が公表されていますので参考にしてください。
令和6年能登半島地震発生後、都は主要パネルメーカー14社へのヒアリングを2月から3月にかけて実施しており、先の地震において、住宅用太陽光パネルについては、その時点において損壊等の報告はないと聞いております。
台風
太陽光パネルの耐風圧はJIS規格で定められており、風速に換算すると毎秒62mに耐えうる設計となっています。
また、取り付け強度もJIS規格に基づき荷重を計算し、風などの荷重に耐えるように設計されています。
雹(ひょう)
一般的に、太陽光パネルのガラス面はJIS規格に適合した強化ガラスを使用しており、通常の雹であれば割れることはありません。
JIS規格において、太陽光パネルのガラス面は、降雹を想定し、最小値25ミリメートルの氷球を毎秒23.0mの速度で当て、これに耐えうることが条件として定められています。
ただし、大粒の雹に集中的に打ち付けられるなど、想定以上の負荷がかかった場合は、破損やひび割、目視では確認できない傷が生じる可能性も考えられます。
落雷
(一社)太陽光発電協会によると、太陽光パネルが直接落雷を受けたという事例は極めて稀であり、一般住宅の屋外に設置されている他の電気機器と同様に、特に落雷を受け易いという事実はないとしております。
太陽光パネルにおける落雷対策として、製品回路内に一定性能のサージアブソーバ(避雷素子)等を設置して誘導雷対策を行い、被害を食い止める対策を行っています。
水害
(一社)太陽光発電協会からは、太陽光発電システムが水没・浸水した場合の感電による事故等の事例はないと聞いております。一方、接近・接触すると感電する恐れもあることから、水没・浸水した場合には、一般的な家電製品が冠水した場合と同様に、絶対にそのままでは使用(通電)せず、販売・施工店に確認を依頼してください。
屋根上のパネルが水没・浸水するような大規模災害時においては、早期に浸水しない地域へ避難することが重要です。雨や風は事前に予測できるので、風水害が発生する前に備えることが可能です。平時からハザードマップ等でお住まいの地域の風水害のリスクをご確認ください。
降灰
産業技術総合研究所と気象庁の共同調査※7によると、太陽光パネルに火山灰が堆積することにより一時的に発電量は低下するものの、降灰が原因でパネルが劣化することはなく、降雨により降灰は洗い流され、発電効率は復元するとしています。
光害
屋根の北面に設置した場合など方角等によっては、近接する建物に一時的に太陽光パネルの反射光が差す可能性があります。設置に当たって事業者は「太陽光発電システムの反射光トラブル防止について」 などを参照し、未然防止に努めることが重要です。なお、新制度では、屋根の北面は、設置基準の算定から除外できることとしております。
太陽光パネルの反射光が鳥類に及ぼす影響について、国内外の専門業者やパネルメーカーへのヒアリングによると、バードストライク等※4の事例はないとの回答を得ています。
日常的に発電量の確認を
日常的に発電量を確認し、発電量の低下が確認された場合には、メーカーや販売店等にお問い合わせください。
安全な導入(太陽光発電設備の火災リスク)
適切に設置・管理された太陽光発電システムは、安心してお使いいただけます。
住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等については、消費者安全調査委員会が平成31年に事故等原因調査報告書を作成しました。
• この報告書によると、平成30年10月時点の住宅用太陽光発電システムの累積設置棟数は約2,374,700棟、平成20年3月から平成29年11月までの間に住宅用太陽光発電システムから発生した火災等に関する事故情報は127件となっています。
• また、事故情報127件のうち、原因不明等を除く72件の事故原因等が調査され、そのうち屋根へ延焼したため被害が大きくなった事例は7件となっていました。
• 報告書では、被害が大きくなった事例は、屋根材と一体となった太陽光パネルであり、かつ不燃材料が敷設されていない型のみであったことが明らかとなるなど、その他の事例も含め、詳細な原因分析がなされ、これらを踏まえた再発防止策が示されました。
• これを受けて、課題が指摘された型を製造していたパネルメーカーが、応急点検を行い、安全措置を実施するとともに、施工マニュアルや仕様書において不燃材料の敷設に関する安全基準を記載しました。このことは、令和4年4月に実施された国の調査委員会において確認されています。
• また、それ以外の型においては、業界団体が各パネルメーカーと連携して、保守点検ガイドラインの見直し等の再発防止策を既に講じており、安全性が確保されています。
• なお、業界団体は、⾧く・大切にお使いいただくために、定期的な保守管理を実施することを推奨しています。
東京消防庁は、活動隊員の安全確保策を講じたうえで、放水による消火活動を行っています。
太陽光パネルが設置されている住宅等の火災においても、水による消火は可能であり、消火活動において直接水をかける場合は、活動隊員の安全確保の観点から、噴霧状の放水や放水距離を確保するほか、必要に応じて絶縁性の高い防護衣、手袋及び長靴等を着用しています。
さらに、鎮火後、必要に応じて太陽光パネルを消防活動用の遮光シートで覆うことで、再出火防止を図っています。
安全な導入(自然災害等)
機器設置にあたっては、以下のガイドラインに準拠するとともに、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」で定める日常生活の騒音・振動の基準を遵守するよう、お願いいたします。
<ガイドライン>
〇太陽光発電設備
〇ヒートポンプ給湯器
騒音等防止を考えた家庭用ヒートポンプ給湯機の据付けガイドブック(一般社団法人 日本冷凍空調工業会)(外部サイト)
<都民の健康と安全を確保する環境に関する条例>
維持管理
一般的な住宅地では、定期的に屋根に登って掃除をする必要は殆どありませんが、発電量を日常的に確認することをおすすめします。
- 日常的には、ごみやほこり等が太陽光パネルの表面につくと、発電量が減ることもありますが、雨風で洗い流されてほぼ元の能力に回復すると言われており、一般的な住宅地では、定期的に屋根に登って掃除をする必要はほとんどありません。
- 設置期間中に点検が生じる場合がありますが、費用は専門業者に依頼すると1回当たり3.5万円程度と言われています。
- また、太陽光パネルの附属機器(パワーコンディショナー)は、太陽光パネルの寿命(25~30年程度)より短く、15年程度で一度交換が必要となり、その更新費用は27万円程度と言われています。
- なお、日常的に発電量を確認し、発電量の低下が確認された場合には、メーカーや販売店等にお問い合わせください。
住宅用太陽光発電設備を長く・大切に使うためのポイント(住民向け)を策定しました
都は、令和4年9月に、解体業者、収集運搬業者、リサイクル業者等で構成する「東京都太陽光発電設備高度循環利用推進協議会」(以下「本協議会」という。)を立ち上げ、リサイクルルートの構築に取り組んでいます。
このたび、本協議会と連携し、住民の方向け「太陽光発電設備を長く・大切に使うために」を作成しましたので、お知らせします。
住宅用太陽光発電設備を長く・大切に使うために(住民向け)(PDF:928KB)
住宅用太陽光発電設備を長く・大切に使うために(住民向け)
都民の皆さまに太陽光発電設備を長く・大切に使って頂くためのポイントについて記載しています。
建築構造に関する国の取組
木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要の公表について(令和4年10月28日)
国においては、「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」が令和4年6月17日に公布され、現在、改正法の施行に必要な政省令・告示等の整備に向けて検討を進めているとされています。また、令和4年2月1日の社会資本整備審議会の答申において、小規模木造建築物等の構造安全性を確認するための措置に関し、講ずべき施策として、「省エネ化等に伴って重量化している建築物の安全性の確保のため、必要な壁量等の構造安全性の基準を整備する。」とされています。
これらを受けて、国土交通省では、構造関係規定の見直しについての検討を行う有識者会議での審議結果を踏まえながら、建築基準法に基づく「木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要」をとりまとめ、公表しています。
また、引き続き、同基準(案)の概要を原案として政省令・告示等の検討を進め、パブリックコメント等の手続きを経た上で確定、公布する予定とされています。
国土交通省ホームページ(外部サイト)
(資料等)
- 木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要の公表について(外部サイト)
- (別紙)木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要(外部サイト)
- (一財)日本建築防災協会のホームページ(補足資料等が掲載)(外部サイト)
長期優良住宅に係る壁量基準の見直し
長期優良住宅法改正概要説明(令和4年9月) において、
「長期優良住宅の壁量基準については、現行の住宅性能表示制度の耐震等級3※とする。ただし、PV等を載せた場合は、仕様に関わらず重い屋根の壁量基準を満たすものとする。
なお、今後、建築基準法等において、新たな壁量基準が定められ、必要な周知などを行い、導入が可能となった段階で、当該基準へと見直すこととする。」とされています。
※住宅性能表示制度における構造計算による場合は、引き続き、実荷重を踏まえた上で耐震等級2以上の基準へ適合すれば認定基準を満たす。