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小笠原が世界遺産になるまで

世界自然遺産とは

「世界遺産条約」は、正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」といいます。文化遺産や自然遺産を人類全体のための遺産として損傷、破壊などの脅威から保護し、保存していくために、国際的な協力および援助の体制を確立することを目的とした条約です。1972年のユネスコ総会で採択され、1975年に発効しました。2017年7月現在の締約国は193か国にのぼり、日本はこの条約を1992年に締結しています。人類共通のかけがえのない財産として、将来の世代に引き継いでいくべき宝物、それが世界遺産です。
この世界遺産には、「文化遺産」、「自然遺産」及び「複合遺産」の3種類があり、有形の不動産が対象となっています。2017年7月現在、世界遺産は文化遺産832件、自然遺産206件、複合遺産35件です。また、日本では文化遺産17件、自然遺産4件が登録されています。
自然遺産に登録されるためには「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている下記の4つの評価基準「自然景観」「地形・地質」「生態系」「生物多様性」のどれかを満たす必要があります(参考:文化遺産には6つの評価基準があります)。

自然景観 類例を見ない自然美および美的要素をもった優れた自然現象、または地域を含むこと。
地形・地質 生命進化の記録、地形形成で、進行しつつある重要な地学的過程、または重要な地学的、自然地理学的特徴を含む、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な例であること。
生態系 陸上、淡水域、沿岸および海洋の生態系、動植物群集の進化や発達で、進行しつつある重要な生態学的・生物学的過程を代表する顕著な例であること。
生物多様性 学術上、または保全上の観点から見て、顕著で普遍的な価値をもつ、絶滅のおそれがある種を含む、生物の多様性の野生状態での保全にとって、もっとも重要な自然の生息・生育地を含むこと。

世界自然遺産小笠原諸島について

小笠原諸島の豊かで独特な自然の価値が認められ、平成23年6月に「小笠原諸島」が世界自然遺産として登録されました。日本の世界自然遺産は、平成5年に「屋久島」「白神山地」、平成17年に「知床」が登録されており、「小笠原諸島」は4番目の登録となります。
平成23年6月19日にパリのユネスコ本部で開かれた第35回世界遺産委員会で、小笠原諸島は評価基準のうちの「生態系」が世界遺産の価値として認められました。その内容は「世界遺産の区域小笠原諸島は、固有種が多いことと適応放散の証拠の多いことの両方が、他の進化過程を示す資産とは異なっており、その小面積を考慮すると、陸産貝類と維管束植物は例外的に高い固有率を示している」ということでした。「地質・地形」(海洋性島弧発生と進化過程を示す世界で唯一の場所)や「生物多様性」(多くの固有種と世界的な希少種)の評価基準も推薦していましたが、残念ながら認められませんでした。遺産の保全管理については、「大規模、かつ増大している保全の投資を称賛」、「複数機関が協力していること」、「推薦、地域住民参画のレベルの高さ」などが評価されました。


世界自然遺産のロゴ

世界自然遺産の管理機関と管理計画

「小笠原諸島管理計画」は諸島全体の自然環境の保全管理に関する基本的な方針を示したもので、推薦書類の1つです。自然環境の保全管理に関わる各種制度を所管する管理機関として、環境省、林野庁、文化庁、東京都、小笠原村の連名で平成22年1月に策定しました。対象範囲は、遺産区域を適切に管理するために、遺産区域に含まれない集落地や海域部分も広く含めています。主な内容としては、関係機関が連携して、外来種対策をはじめとする生態系の保全管理、エコツーリズムの推進、モニタリング調査などに取り組むための保全管理の基本方針を示しています。

また、在来種の保全や外来種の防除について短期的な目標及び対策の優先順位・手順や内容などを示した「生態系保全アクションプラン」(第2期、平成26年3月策定)を作成しています。登録から5年間でも大きな変化が生じていることから、平成28年度から29年度にかけて地域連絡会議での連絡調整や科学委員会の助言によって管理計画とアクションプランの改定の検討を進めていく予定です。

遺産登録までの経過

  • 「小笠原諸島」の世界遺産一覧表への記載決定(平成23年6月24日)6月19日からフランス(パリ)のユネスコ本部で開催されている第35回世界遺産委員会で、世界遺産に推薦していた「小笠原諸島」の審査が行われ、世界遺産一覧表へ記載することが決定しました。
    決議案の概要は【関連リンク】をご覧ください。
  • 小笠原諸島の世界遺産一覧表への記載推薦に関する国際自然保護連合(IUCN)の評価結果及び勧告(平成23年5月7日)世界遺産一覧表への記載を推薦している「小笠原諸島」について、自然遺産の評価を行う国際自然保護連合(IUCN)の評価結果が明らかとなり、世界遺産一覧表への「記載」が適当と勧告されました。生物進化の過程に関する顕著な普遍的価値が認められました。
    評価の概要は【関連リンク】をご覧ください。
  • 国際自然保護連合(IUCN)による現地調査(平成22年7月2日~7月15日)
  • 「小笠原諸島」を世界遺産一覧表に記載するための推薦書をユネスコの世界遺産センターに提出(平成22年1月26日)
    推薦書は関連リンクをご覧ください

問い合わせ先

〒163-8001 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号
東京都 環境局 自然環境部 緑環境課
電話:03-5321-1111(代表) 内線42-683/電話:03-5388-3454(直通)

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このページの担当は自然環境部 緑環境課 自然公園計画担当です。

小笠原諸島の世界自然遺産について

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