母島
母島の山は緑の森におおわれていて、オガサワラシジミというチョウやオガサワラグワという木など、小笠原(おがさわら)ならではの生き物やめずらしい地形もあるんだ。マンゴーなど熱帯の果物が取れるのも楽しみだね。
絶滅危惧種の凡例
- VU(国):絶滅危惧Ⅱ類(VU)(環境省)
- VU(都):絶滅危惧Ⅱ類(VU)(東京都)
- CR(国):絶滅危惧ⅠA類(CR)(環境省)
- CR(都):絶滅危惧ⅠA類(CR)(東京都)
- EN(国):絶滅危惧ⅠB類(EN)(環境省)
- EN(都):絶滅危惧ⅠB類(EN)(東京都)
オガサワラシジミ
CR(国)・CR(都)
季節
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
場所
- 空
大きさは?
1.2~1.5㎝くらいだよ。
特ちょうは?
オスは、羽の表面が暗い青色でふちだけ黒いよ。メスは、羽の表面が暗い青色から黒色になっているよ。
どこで見られる?
昔は父島にもいたんだけど、今は母島の森にだけで見られるよ。
主な食べ物は?
幼虫は、オオバシマムラサキやコブガシの花芽などを食べるよ。
もうワンポイント
小笠原(おがさわら)だけに見られる固有種だけど、絶滅(ぜつめつ)が心配されているチョウで、天然記念物にも指定されているんだ。
カツオドリ
VU(都)
季節
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
場所
- 空
大きさは?
70㎝くらいだよ。つばさを広げるとおよそ150㎝にもなる大きい鳥なんだ。
特ちょうは?
全身は、こげ茶色の羽毛でおおわれていて、体の下面は白い羽毛でおおわれているよ。くちばしは黄色でするどいんだ。
どこで見られる?
おがさわら丸やははじま丸の船上からや、南島や母島の南崎あたりの海の上で、飛んでいるところを見ることができるよ。
鳴き声は?
「グワッ、グワッ、グワッ」と鳴くよ。
主な食べ物は?
トビウオなどの小魚を食べるよ。
もうワンポイント
魚の群れをみつけると鳴きながら、体を矢のように急降下(きゅうこうか)させて魚をつかまえるんだ。高速で飛びこむ姿は、とてもはく力があるよ。
画像提供元:小笠原村観光局
固有の陸産貝類
季節
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
場所
- 陸
小笠原(おがさわら)の陸産貝類は、木の上・地上・地中などすんでいる場所に合わせて進化しているんだ。記録されている在来種106種のうち、なんと100種が固有種なんだよ。特に、カタマイマイ属のカタツムリは、すむ場所に適応し、多くの種に分化した形が見られるんだよ。ただし、これを食べるニューニギアヤリガタリクウズムシがいて、父島の陸産貝類は絶滅(ぜつめつ)が心配されているんだ。ニューニギアヤリガタリクウズムシはプラナリアのなかまで外来種なんだ。乗下船時や入山・下山時には、プラナリアがついているかもしれないくつ底のどろをよく落としてね。これはプラナリアが母島や他の場所へ移動するのを防ぐため、協力を呼びかけているんだ。
画像提供元:小笠原村観光局
ワダンノキ
季節
- 春
- 夏
- 秋
場所
- 陸
大きさは?
高さ2~5mくらいだよ。
特ちょうは?
つつの形をした、淡い赤むらさき色の花をたくさん咲かせるんだ。
何のなかま?
キクのなかまだよ。
どこで見られる?
小笠原(おがさわら)にしかいない固有種で、雲やきりがかかる母島の山の上の方に多く見られるよ。母島の近くの向島(むこうじま)や姪島(めいじま)にも見られるといわれているんだ。
もうワンポイント
キク科の植物の中でも、これほど大きく木のように育つ植物は東アジアの中でもめずらしくて、大陸から遠く離れた島の特ちょうの一つなんだ。「ワダン」は海の浜にはえる菜を意味する「ワタナ」から来ている名前だといわれているよ。
マルハチ
季節
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
場所
- 陸
大きさは?
高さ20mくらいだよ。
特ちょうは?
葉は大きく鳥の羽のように分かれていて、幹のてっぺんから放射状(ほうしゃじょう)に出て、かさのように広がった形をしているんだ。葉が落ちると、幹に「八」をさかさまにしたようなあとが残ることからマルハチの名前になったんだよ。
何のなかま?
木性シダのなかまだよ。
どこで見られる?
小笠原(おがさわら)にしかいない固有種で、母島の山や森で見られるよ。母島の近くの向島(むこうじま)や姪島(めいじま)でも見られるんだ。
もうワンポイント
小笠原のような海洋島には、胞子(ほうし)が風にのってやってくるんだよ。その中でも、シダ植物の割合(わりあい)が、大陸よりも多くみられるんだ。特に木のように大きく育つ木生シダは、小笠原の森の特ちょうの一つだよ。
画像提供元:小笠原村観光局
母島の湿性高木林(しっせいこうぼくりん)
季節
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
場所
- 陸
母島は、湿度(しつど)が高く、その湿度を好む木は20mもの高さになるんだ。湿度を好む木には、シマホルトノキ、ウドノキ、モクタチバナ、アカテツ、オガサワラグワなどがあって、それらが集まった林は「湿性高木林」とよばれているよ。特に、母島の標高が高い山では、海からのしめった風が山をかけのぼって雲ときりにおおわれることがあるんだ。そのしゃ面には、ワダンノキを中心とした樹木(じゅもく)が生えているよ。
画像提供元:小笠原村観光局
有効虫の化石で作る生活道具
母島の南東の海辺のがけでは、大型の有孔虫(ゆうこうちゅう)の化石である貨幣石(かへいせき)が見られるよ。有孔虫は、世界の海に生息している小さな原生動物なんだ。殻(から)が積もって石灰岩を形成することがあって、沖村にある石灰質砂岩(せっかいしつさがん)は、まさしく大部分がその有孔虫の殻でできているんだ。有孔虫の殻は、加工しやすかったため、太平洋戦争の前までは「ロース石」という名前で、かまどや石臼(いしうす)などの生活道具を作る材料として利用されていたよ。
熱帯果樹栽培(ねったいかじゅさいばい)
小笠原(おがさわら)の亜熱帯(あねったい)の気候を活かして、マンゴーやパッションフルーツといった熱帯果樹の栽培が盛んに行われているよ。なかでもマンゴーは、最近ブームになっている食材でもあり、人気の高い品目の一つなんだ。ほかには、バンレイシ科のアテモヤや、ミカン科シロサポテなどの栽培もこころみられていて、マンゴーやパッションフルーツに続く新しい人気品目になりそうだね。
エコツーリズム
父島よりあとの火山活動で誕生(たんじょう)した母島にも、めずらしい地形があるんだ。母島の石門(せきもん)は、高くもり上がったカルスト地形というよ。石灰岩(せっかいがん)ならではといった、凹凸(おうとつ)のある地形を見ることができるんだ。石門の一帯も、2002年7月、南島と一緒に自然環境(かんきょう)保全促進(そくしん)地域の第1号に指定されたんだ。
かけがえのない自然を将来へ残しながら、旅行者がその自然に育まれた歴史文化に親しめるようにエコツーリズムの活動が行われているよ。小笠原(おがさわら)の村民が豊かに暮らせる島づくりをめざして、小笠原エコツーリズム協議会がもうけられ、ルールブックも作られているんだ。
画像提供元:小笠原村
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