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平成14年度の都内における化学物質の環境への排出量等について

ページ番号:217-378-868

更新日:2018年2月9日

平成14年度の都内における化学物質の環境への排出量等について

化学物質を取り扱う事業者が、どれだけの化学物質を環境へ排出しているかについて、自ら把握して届け出ることにより、自主的な管理を促進し、化学物質による環境への影響を未然に防止することが重要となっています。
このため、環境確保条例では、事業者に対して、化学物質の使用量、製造量、製品としての出荷量、環境への排出量、事業所外への移動量の報告を義務付けています。今回初めて都内の年間(13年度は半年間の集計)の化学物質の取扱状況を把握することができました。
また、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(PRTR法)でも、事業所からの化学物質の環境への排出量、移動量の報告が義務付けられており、その集計結果がまとまりました。
条例及び法律に基づく平成14年度の集計結果は、次のとおりです。
なお、環境確保条例はPRTR法に比べ

  • 都内の事業所の実態を考慮し、小規模事業所までを広く対象としていること
  • 報告事項が国よりも多く、化学物質の使用から廃棄までの全体の流れを把握できること
  • 法が対象としていない多量に使用されている有機溶剤も対象としていること


などから、都内で使用されている化学物質の実態を、より詳細に把握できる特徴があります。

環境確保条例に基づく集計結果

1 事業所からの報告件数


事業所からの報告件数は、2,808件であり、業種別に見ると、燃料小売業(ガソリンスタンド等)39%、電気めっき業10%、普通洗濯業8%、印刷業6%、化学工業4%、金属製品塗装業4%などでした。

2 報告内容の概要


化学物質の使用量は424,000トン、製品としての出荷量は347,000トンなどでした。
また、物の加工、製造等に伴い、大気など環境への排出量は、使用量の1.9%(8,000トン)であり、また、廃棄物などとして処理するため、事業所外へ搬出した量である移動量も1.9%(8,000トン)でした。

3 化学物質の使用から廃棄までの状況

化学物質の使用量や環境への排出量等をみると、次のとおりでした。

(1) 使用量

使用量の多い化学物質はトルエン、キシレン等の有機溶剤で、インキ、塗料、シンナーなどに使われています。ガソリンスタンド等において販売のために取り扱ったガソリン中のトルエン、キシレンも使用量としての届出がなされています。

(2) 製造量

製造量の多い化学物質は、顔料等に使用される鉛及びその化合物、塩酸です。

(3) 製品としての出荷量

製品としての出荷量の多い化学物質はトルエン、キシレン等の有機溶剤で、化学製品に含まれています。ガソリンのように給油される量も出荷量に含まれます 。

(4) 環境への排出量

化学物質は大気、公共用水域(河川等)、土壌などへ排出されますが、環境への排出量の98%が大気中へ排出されています。排出量の多い化学物質は揮発性のトルエン、イソプロピルアルコール等の有機溶剤です。

(5) 事業所外への移動量

廃棄物や下水道へ排出された量です。移動量の多い化学物質は硫酸、トルエンであり、移動量の98%が廃棄物として事業所外へ搬出され、処理されています。

4 業種別の使用量等の状況

環境への排出量が多い業種は、印刷業、輸送用機械器具製造業等となっており、上位5業種で全排出量の約7割を占めています。また、使用量に対する環境への排出量の割合は、印刷業が約7割、金属製品塗装業が約6割であり、高い割合となっています。
表−1 環境への排出量が多い上位5業種の状況 単位:トン

業種物質名使用量排出量移動量特徴
印刷業合計4,500
(100%)
3,100
(69%)
850
(19%)
インキ及びインキの希釈溶剤の中にはトルエン、IPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤が含まれており、印刷の過程で大気中へ排出されます。
トルエン2,1001,300610インキ及びインキの希釈溶剤の中にはトルエン、IPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤が含まれており、印刷の過程で大気中へ排出されます。
IPA1,3001,20055インキ及びインキの希釈溶剤の中にはトルエン、IPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤が含まれており、印刷の過程で大気中へ排出されます。
酢酸エチル41028057インキ及びインキの希釈溶剤の中にはトルエン、IPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤が含まれており、印刷の過程で大気中へ排出されます。
その他690320130インキ及びインキの希釈溶剤の中にはトルエン、IPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤が含まれており、印刷の過程で大気中へ排出されます。

輸送用
機械器具
製造業

合計2,700
(100%)
1,000
(37%)
78
(2.9%)
自動車等を製造する業種です。塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれる酢酸ブチル、キシレン等の有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。
酢酸ブチル4402601.2自動車等を製造する業種です。塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれる酢酸ブチル、キシレン等の有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。
キシレン5002205.8自動車等を製造する業種です。塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれる酢酸ブチル、キシレン等の有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。
トルエン59017062自動車等を製造する業種です。塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれる酢酸ブチル、キシレン等の有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。
その他1,20035062自動車等を製造する業種です。塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれる酢酸ブチル、キシレン等の有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。
化学工業合計48,000
(100%)
540
(1.1%)
1,400
(2.9%)
作業工業は、化学反応や原料の混合により、製造品を得る工程です。化学反応や混合における過程でジクロロメタン等の有機溶剤が大気中へ排出されます。
ジクロロメタン32016088作業工業は、化学反応や原料の混合により、製造品を得る工程です。化学反応や混合における過程でジクロロメタン等の有機溶剤が大気中へ排出されます。
メタノール930130290作業工業は、化学反応や原料の混合により、製造品を得る工程です。化学反応や混合における過程でジクロロメタン等の有機溶剤が大気中へ排出されます。
酢酸エチル2,20051130作業工業は、化学反応や原料の混合により、製造品を得る工程です。化学反応や混合における過程でジクロロメタン等の有機溶剤が大気中へ排出されます。
その他45,000200890作業工業は、化学反応や原料の混合により、製造品を得る工程です。化学反応や混合における過程でジクロロメタン等の有機溶剤が大気中へ排出されます。
電気めっき業合計3,800
(100%)
500
(13%)
320
(8.4%)
めっき工程前に、被めっき物の表面の油脂などを除去する前処理工程で、トリクロロエチレン等の有機溶剤が使用され、大気中へ排出されます。
トリクロロエチレン47037052めっき工程前に、被めっき物の表面の油脂などを除去する前処理工程で、トリクロロエチレン等の有機溶剤が使用され、大気中へ排出されます。

テトラクロロ
エチレン

64586.3めっき工程前に、被めっき物の表面の油脂などを除去する前処理工程で、トリクロロエチレン等の有機溶剤が使用され、大気中へ排出されます。
ジクロロメタン735311めっき工程前に、被めっき物の表面の油脂などを除去する前処理工程で、トリクロロエチレン等の有機溶剤が使用され、大気中へ排出されます。
その他3,20019250めっき工程前に、被めっき物の表面の油脂などを除去する前処理工程で、トリクロロエチレン等の有機溶剤が使用され、大気中へ排出されます。

金属製品
塗装業

合計600
(100%)
350
(58%)
220
(37%)
塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれるトルエンなどの有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。
トルエン16013030塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれるトルエンなどの有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。
キシレン14012013塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれるトルエンなどの有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。
酢酸エチル26223.8塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれるトルエンなどの有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。
その他27078170塗装に用いられる塗料、希釈溶剤に含まれるトルエンなどの有機溶剤は塗装工程、乾燥工程で大気中へ排出されます。

注)表中の数字は、四捨五入していますので、合計と内訳が合わない場合があります。

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PRTR法に基づく集計結果(東京都分)

1 事業所からの報告件数

事業所からの報告件数は、1,087件(全国の3.1%、全国34,517件)であり、業種別に見ると、燃料小売業69%、一般廃棄物処理業5%、金属製品製造業5%の順でした。

2 報告内容の概要

平成14年度の化学物質の排出量は、4,300トン(全国の1.5%、全国290,000トン)、移動量は2,600トン(全国の1.2%、全国220,000トン)でした。

3 環境へ排出された化学物質の前年度との比較

平成13年度排出量と平成14年度の排出量を比較すると、1,200トン減少しています(5,500トン→4,300トン)。
減少した主な理由は、印刷関連業で排出削減対策が進められたことにより、トルエンが1,000トン減少したことによるものです。

参考1)環境確保条例とPRTR法について

 環境確保条例PRTR法
対象事業所工場・指定作業場
年間取扱量 100kg以上
従業員21人以上の製造業等 23業種
年間取扱量1t以上(13,14年度は5t以上)
対象物質

○適正管理化学物質:58物質
人の健康に障害を及ぼす物質のうち、性状及び使用状況等から特に適正な管理が必要とされる化学物質(条例で規定されている有害ガス及び有害物質)
各物質ごとに工場事業場からの排出基準が設定されています。

○第1種指定化学物質:354物質
人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、環境中に広く存在する(曝露性がある)と認められる物質として選定された化学物質

報告内容使用量、製造量、製品としての出荷量、環境への排出量、事業所外(廃棄物、下水)への移動量の5項目

環境への排出量、事業所外への移動量
の2項目

条例の特徴条例では、使用量、出荷量などが報告されるため、工場等で使用する物質の流れを容易に把握でき、化学物質の適正管理に役立ちます。 
施行期日平成13年10月平成13年4月

参考2)化学物質の環境中の濃度

東京都は、環境大気などの化学物質濃度を測定しています。
トルエンなどの化学物質の環境大気中の経年変化を見ると、全体に低下傾向にあります。

※トルエン,キシレンは平成11年度から測定を開始しています。

お問い合わせ

このページの担当は東京都環境局です。


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適正管理化学物質使用量等の集計結果

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