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廃プラスチックの発生抑制・リサイクルの促進

ページ番号:751-814-333

更新日:2018年2月9日

第1章 廃プラスチック処理の現状と課題

都内では、平成13年度に125万トンのプラスチックが廃棄物として排出され、一般廃棄物と産業廃棄物を合わせると、廃プラスチックの5割強、67万トンが、何ら有効利用されることなく埋め立てられている。
プラスチックは、枯渇性資源である石油(ナフサ)から製造され、化石資源の塊であり、それを有効利用せずに埋め立てていることになる。
限りある埋立処分空間が、大きな容積を占める廃プラスチックにより埋め尽くされつつある。

【廃プラスチックの発生抑制の現状】

レジ袋の見直しや家庭ごみの有料化などが進んでいるが、プラスチックは、安価で軽く丈夫であることなどからその利便性が高く、さまざまな取組にもかかわらず、抑制効果がまだ不十分である。

【容器包装リサイクル法の課題】

廃プラスチックの発生抑制・リサイクルには、容器包装リサイクル法が大きな役割を果たすべきであるにもかかわらず、現状では、十分な成果を上げていない。
容器包装廃棄物の分別収集や保管に係る区市町村の負担が大きく、事業者負担は再商品化義務のみで軽くなっている。

【マテリアルリサイクルの現状】

一般廃棄物では、PETボトルやトレイなど分別しやすいもののマテリアルリサイクルは比較的進んでいるが、その他のプラスチック類の場合には、汚れ、複合素材、素材が分かりにくいものなどが多く、素材としてのリサイクルが難しい。
産業廃棄物のマテリアルリサイクルは一般廃棄物よりも進んでいるが、これは主に生産・加工時に発生するロス品を利用するものである。建設廃棄物の場合には、新築時の端材のマテリアルリサイクルは進んでいるが、解体時では汚れ等が付着して、マテリアルリサイクルが困難である。

【サーマルリサイクルの位置づけ】

一般廃棄物の場合、都内の区市町村の多くでは、廃プラスチックは「不燃ごみ(焼却不適)」に区分され、破砕処理後、大半は埋立処分されている。
区部において廃プラスチックが「不燃ごみ(焼却不適)」に区分されているのは、昭和40年代に、当時の処理技術や廃プラスチックの急激な増加の状況を踏まえて決定した分別方法が引き継がれているからである。多摩・島しょ地域にも区部の分別方法が大きく影響している。
しかし、エネルギー回収や環境対策の技術開発の進展に伴い、サーマルリサイクルは有効なリサイクル手段となっている。
産業廃棄物では、スーパーエコタウン事業において、廃プラスチックを発電用燃料とするガス化溶融等発電施設の整備が進められている。

第2章 発生抑制・リサイクルの基本的考え方

【発生抑制を促進する社会的仕組みの確立】

発生抑制を推進するためには、拡大生産者責任の強化や家庭ごみ有料化などを通じて、発生抑制を促進し定着させるような経済的インセンティブを市場経済の中にビルトインしていくことが重要である。

【最適なリサイクルシステムの構築】

資源の保全、環境への負荷、経済性という3つの評価軸に沿って、科学的な根拠に基づいた合理的な評価を行い、信頼性の高い最適なリサイクルシステムを構築することを目指すべきである。

【コーディネータとしての都の役割】

都は、国への働きかけや区市町村への技術的支援を行うとともに、事業者や都民による発生抑制やリサイクルの取組が促進されるよう、コーディネータとしての重要な役割を果たさねばならない。
また、区部における最終処分場の管理者として、都は、都民へ積極的に問題提起や情報発信などを行っていくべきである。

第3章 今後の施策の方向

廃プラスチックを埋立処分することは資源を無駄にしていることになる。
また、廃プラスチックの埋立処分は、多くの埋立空間を消費するとともに、付着する有機物の分解により、メタンガスの発生や、浸出水処理が長期間継続することになる。
都は、埋立処分量をゼロに近づけていくことを目指すべきである。
廃プラスチックは、貴重な資源であり、「埋立不適物」である。

【発生抑制を促進する】

環境活動の推進

地域・NPO・事業者・学校・行政といった主体間の連携・協働の促進、環境情報の提供など、環境パートナーシップ*の構築に向けて、今まで以上に各主体がそれぞれの立場で活動に取組み、その活動の輪を広げられるよう、積極的に働きかけていくべきである。

事業者との連携による先進的な取組

事業者との連携により先進的な取組を進め、廃棄物の発生が少ない商品の普及などを促進していくべきである。

発生抑制に向けた経済的インセンティブ

発生抑制を促進するために、拡大生産者責任の考え方に基づき、容器包装リサイクル法の改正を国へ提案するとともに、八都県市首脳会議等の場を通じて全国の自治体と広く連携しながら国に法改正を迫っていくべきである。また、区市町村に対しても発生抑制やリサイクルを推進するよう家庭ごみ有料化について働きかけるべきである。

【リサイクルを徹底する】

マテリアルリサイクルの一層の徹底

PETボトルや発泡スチロール製トレイなど、単一素材で再資源化しやすく、分別や異物の除去等が容易なものについては、マテリアルリサイクルを一層徹底すべきである。また、事業者に対しても、製品素材の単一化や素材の表示などマテリアルリサイクル容易な製品設計を促すべきである。
建設廃棄物に含まれる廃プラスチックも、できる限りリサイクルを進める必要がある。塩ビ製配管材等はマテリアルリサイクルが可能であり、公共工事では積極的に分別しマテリアルリサイクルを行うとともに、再生品を優先的に利用していくべきである。

サーマルリサイクルの選択

プラスチックの種類別に分別することが困難なもの、汚れが付着しているもの、アルミ蒸着等の複合素材などは、マテリアルリサイクルが難しい。資源の保全、環境への負荷、経済性の面でマテリアルリサイクルに適さない場合には、サーマルリサイクルを行い、埋立処分量ゼロを目指すべきである。
サーマルリサイクルは、新エネルギー特別措置法により「新エネルギー」に位置づけられており、また、地域のエネルギーセンターとしての役割も期待されている。
産業廃棄物についても、排出事業者に対して、マテリアルリサイクルになじまない場合には、サーマルリサイクルをするよう働きかけるべきである。

都民の信頼に応える環境コミュニケーション

マテリアルリサイクルやサーマルリサイクルを行う施設の安全性や環境負荷に関わる情報発信、リスクコミュニケーションが重要である。区市町村と連携して、環境コミュニケーションの一層の充実を図るとともに、民間のリサイクル・処理施設に関しても、事業者に働きかけ情報公開と地域とのコミュニケーションを促進していくべきである。

【今後の取組に向けて】

廃プラスチックは、一般廃棄物、産業廃棄物にかかわらず、貴重な資源であって、「埋立不適物」でなければならない。都は、このような観点に立って、積極的に都民や事業者、区市町村に問題提起をしていくべきである。
併せて、都は、広域的な立場から発生抑制の促進について先導的に取り組んでいくべきであり、国に対しては、現行の容器包装リサイクル法の抜本的な見直しを強く求めていく必要がある。

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このページの担当は資源循環推進部 計画課です。


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